ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/09/28 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第389号 Weekly ZAP!!


●プロローグ
●先週のマーケット
●今週の米経済統計(予想)
●先週の米経済統計(結果)
●経済統計分析

1. 米住宅関連指標
 ・住宅着工 8月
 ・建築業者のセンチメント
 ・新築住宅販売件数 8月
 ・住宅ローン7%の代償
2. 9月米国PMI
3. 新規失業保険申請
●あとがき

●プロローグ

金利上昇の反面、しっかりしている株式市場。なかなか収まらないインフレと利上げ見通しのはざまで、堅調な株式市場は続くのか、統計と共に今後の見通しを探っていきたい。

それではさっそく始めよう。

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あとがき
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先週、8回目のトランプ・習近平との米中首脳会談が開催された。詳細は石井さんの世界情勢ブリーフィングをご覧いただくとして、筆者からは、まず短期的な市場インパクトに焦点を当てた解説を。

10年以上ぶりとなる習近平の訪米を、トランプは軍儀礼を交えた大仰な演出と、過去を引き合いに出す誇張気味の言葉で迎え入れた。今回の米中首脳会談は、貿易戦争停止を来年1月10日まで延長し、AIについては技術協力そのものではなく不測の事態に備えた政治的な連絡経路を新設するにとどまるなど、中身としては小粒な合意に終わった。

だが半導体とレアアースをめぐる力関係は、静かに傾きつつある。独自製造を進める中国にとって米国製半導体への依存は薄れる一方、物質資源であるレアアースは技術で代替できず、時間は中国側に味方する構図だ。台湾問題では、トランプは「独立反対」要請に沈黙を守りつつも大型の兵器供与を先送りする形で歩み寄りを示したが、第一列島線をめぐる緩衝地帯そのものは譲らず、「戦略的曖昧さ」は崩れなかった。

焦点はむしろ中東だろう。イランの原油輸出はほぼ中国に依存し、ホルムズ海峡通航船の多くもイラン・中国間のものだ。国連総会で「屈しない」と語ったペゼシュキアン大統領が、Foxでは「戦争終結の選択権は米国側」と譲歩めいた発言をしたのは、対米向けというより対中配慮のリップサービスと見るべきだろう。目立った大型合意がない中でも、市場はこれを楽観材料としてとらえリスクオンへ傾きやすいと思われるが、その代償はいずれ払わされることになるのではないだろうか。

さて、ここでは、White Houseで開催された米中首脳晩餐会について。

晩餐会はメラニア夫人が準備を主導。ホワイトハウスによれば、料理のテーマは「American ingredients with subtle Chinese influence(中国の影響をほのかに感じさせるアメリカの食)」だった。

乾杯用のスパークリングワインはSchramsberg(シュラムスバーグ社)のBlanc de Noirs(ブラン・ド・ノワール)だった。実は、このSchramsbergは以前も米中の晩餐会で登場したことがあるワイナリーで、1972年にリチャード・ニクソン大統領が中国を訪問した際、周恩来首相との「平和のための乾杯(Toast to Peace)」では「1969 Blanc de Blancs」を提供している。

同じワイナリーを53年ぶりに再登板させているが、1972年は白ブドウのBlanc de Blancs、今回は黒ブドウのBlanc de Noirsだったというわけだ。どこか両国の歴史を感じるこの演出は、米中の歴史に敬意を払っているようにも見える。

トランプ・習近平と同じテーブルについていたのが、イーロン・マスク、Appleのティム・クック、NVIDIAのジェンスン・フアン、AMDのリサ・スーという錚々たるメンバー。彼らが一堂に会する中で、習近平は、AIが「人間の管理下」に置かれるよう確保し、「責任ある大国」として行動すべきだとリスク管理を強調したのに対し、トランプは「調和、平和、成功」と包括的な言葉で応じるなど、やや噛み合っていない感がある。

しかし、互いに双方の未来に乾杯した。米中は異なる体制を持つが相互理解の中で「歴史的な転換点」に乾杯しているようにも見え、味わい深い。

さらに、中国文化で祝い・繁栄・幸運などを表す赤のテーブルクロスに赤い花(ダリアやラナンキュラス)をあしらい、細部にまで拘りを感じる。メニューは、前菜は黄色いズッキーニ、野生のキノコ、カリカリのパンチェッタで、メインディッシュはゴマをまぶしたスズキ、チンゲン菜の蒸し煮、焼きナス。デザートには、サワーチェリーのコンフィを添えたバニラ・クリームと、「ホワイトハウスで採れたハチミツ」で作られたアニス風味のアイスクリーム・・・という豪華なものだった(美味しそう)。

また、今回中国は、対米パンダ外交も行った。パンダ外交の始まりは第二次世界大戦中に遡る。日中戦争下で中国を支援していた米国への謝意を示すため、蒋介石夫人の宋美齢が1941年に2頭のパンダを贈ったと言われており、それがパンダ外交の始まりとも言われている。

Schramsberg、赤いテーブル、パンダ。53年前の米中融和を思わせる小道具が随所に配置された晩餐会だった。しかし、同じテーブルに座っていたのはAI、半導体、EV、スマートフォンという現在の米中覇権争いの主役たちで、1972年へのオマージュでありながら、2026年の米中関係が何を巡って争っているのかをこれほど分かりやすく映した晩餐会はないかもしれない。

さて、連休前からの大雨で関東地方、特に千葉県が大きな被害を被っています。土砂崩れや浸水の影響、さらに未だに停電になっている住戸が数多くあり、被害に遭われた方へお見舞い申し上げます。今週もお天気が下り坂のようですので、皆様くれぐれもお気をつけてお過ごしください。

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