2026/09/26 18:00 | 戦略論 | コメント(0)
米中間選挙が生み出すリスク
今週も色々と国際政治が動いていますが、やはり最も気になるのは、米国で行われた米中首脳会談。そこで何が話されたのかです。
■ 米中首脳が会談 習氏がトランプ氏に「台湾独立反対」の立場求める(9/26 朝日新聞)
本稿執筆時点で確認できる限りでは、台湾問題について、トランプ大統領が中国の要請を受けて武器売却を取引材料にしたとか、日本をはじめとする同盟国が不利な発言をしたといったことはなかったようです。まずは米中関係の良好さをアピールする場にとどまったとみられます。
それでも気になるのは、「米中関係の仲の良さ」をアピールするために、トランプ大統領が習近平国家主席に対して「米中は第二次世界大戦の時に日本を共通の敵として戦った」と繰り返し強調したことです。これは言うまでもなく間違った歴史のナラティブです。
■ 「戦ったのは中華民国」 米中会談、習氏の歴史観は誤り 台湾当局(9/25 時事通信社)
上記記事にもある通り、米国と肩を並べて戦ったのは中華民国(現在の台湾の国民党)であり、そもそも第二次世界大戦中には現中国である「中華人民共和国」はまだ成立していません。しかしたとえフェイクな話であったとしても、中国が進める「日本を悪」とする歴史観の塗り替えにトランプ大統領が乗っかってしまったのは、かなりまずい構図です。
単なるリップサービスに過ぎないかもしれません。しかしそうであったとしても、アメリカ側がこうした中国の主張を認めるような態度を示してしまうと、領土問題や、最近中国が重視している「敵国条項」に関する議論でも、日本側の主張が通りにくくなる可能性も高まります。
さて、今週は少し趣向を変え、約一ヶ月後の11月初頭に行われるアメリカの中間選挙に関して書かれた興味深い記事を取り上げます。そしてそこから見えてくるトランプ政権の特徴についての考察をお伝えします。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
米中間選挙が生み出すリスク
***********
▼選挙不正を防げ?
▼試される民主主義
▼トランプ政権とその支持者の関係
▼民主主義の試練
▼最悪を考える
***********
近況報告
***********
「認知戦」というテーマで講演してきました。拙訳『認知戦:悪意のSNS戦略』を読んだ方からの依頼でしたが、会場に来てくれたのはなんと社会人の20代の若者たちが130名ほど。
念のためと思って「この中に新聞を定期購読している人はいますか?」と尋ねたところ、手を挙げたのはわずか2人。この世代の人たちのスマホ中心の生活を思えば、「いやむしろ2人もいるのか!」と思ったほどですが、そうした「超レアキャラ」と言える2人の方々がどのような仕事をしているのか気になったりしました。
かくいう私はなんと現在7紙も取っています。それでも紙面がどんどん薄くなっていくのを見ると、新聞というメディアが日に日に力を失っていくことが実感され、なんともさびしい気持ちになります。
***********
好評発売中の書籍
***********
■ 『世界最強の地政学』文春新書
■ 『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■ 『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版
■ 『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。


























