ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/10/12 17:00  | 戦略論 |  コメント(0)

【新刊発売!】『戦略論入門』で本当に言いたかったこと


今週も色々と国際政治が動いていますが、日本にとって他人事と言えない点からも気になるのは、ロシアのニュースです。同国で発生した(とされる)ペストの病原体が研究所から漏れたのではないかという疑惑ですね。

■ ロシア・ペスト疑惑の震源地、当局を「信用できない」地元住民 それでも他に選択肢なく(10/9 CNN)

事実としてわかっているのは、ロシア・シベリア地方のイルクーツクにある「ペスト対策研究所」に勤める検査技師、ダリヤ・シピロワ氏(28)が急死したということです。ロシア当局はイルクーツクで一連の予防措置を行っていましたが、現地時間10月7日の発表では、その措置を縮小しつつあるとのこと。

個人的に特にこのニュースが気になったのは、今年7月に出たばかりの以下の本で、今回の話を彷彿させるような「生物兵器」のシナリオを見ていたからです。

■ Annie Jacobsen『Biological War』

ロシアの生物研究施設から病原体が漏洩し(今回とソックリ!)、それを皮切りに、極めて高い感染力と致死性を持つ人工病原体が急速に拡大。こうした近未来の世界的大惨事に直面し、政府や公衆衛生機関、軍、そして市民が初期対応に苦慮、結果的に社会インフラや統治体制が崩壊していきます。そのプロセスが時間・日数・週単位で刻々と描かれます。

もちろん現時点でこのような事態は起きていません。しかし、数年ほど前に我々はコロナ禍を経験しているため、どうしてもこのようなパンデミックにつながりそうな事件には敏感にならざるを得ません。

また、習近平国家主席の健康不安説がいよいよ大手メディアで扱われ始めた点も気になるところ。先月の訪米のスケジュールがかなり余裕を持って組まれており、それがホワイトハウス関係者の目に留まったと報じられました。

■ 習氏が異例の休憩、トランプ氏との首脳会談が数時間短縮(10/3 WSJ)

関係者によれば、日程は「習氏がどれだけ立てるか・歩けるか・いつ休む必要があるか」という点を考慮して組まれたとのこと。飛行機の階段で手すりと彭夫人につかまり、公文書館でも支えられているように見えたとされています。

習氏は1953年生まれの73歳。長距離移動や時差の負担を考えれば体調に影響が出ても不思議ではありません。喫煙者という話もありますし、14億人のトップに立つ仕事のストレスなどを考えれば、体調不良であってもおかしくはないですね。

すでに陰謀論界隈では「影武者だ」とか「もう死んでいる」などの荒唐無稽な議論があるようですが、そのようなものはさておき、アメリカのトランプ政権と比べて安定していると思われていた中国の主導者にも健康不安の可能性です。こうなると、ますます世界は不安定化に向かっているように思えてなりません。

さて今回は、10月7日に刊行された私の新刊『戦略論入門』を取り上げます。そこで私が最も主張したかったことを紹介しつつ、本メルマガの読者のみなさんの戦略思考の形成につながる話をお伝えします。

■ 奥山真司『戦略論入門-自衛隊幹部学校 講義録』

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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『戦略論入門』で本当に言いたかったこと
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▼新刊の狙い
▼戦略研究
▼戦略文化
▼合理性
▼習近平は「抑止」できるか

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近況報告
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新刊のプロモーションを兼ねて、ニュース動画サイト大手のPIVOTに出演しました。収録は一日で行われ、前編と後編の二本に分かれて公開されています。

■ 【世界のリスクを見通す地政学入門】ブームになった理由/ランドパワーとシーパワー、ハートランド理論/地政学の三大スターとは/地政学は“怪しい”のか?/不安定化の中で変わらない理論を探す心理
■ 【古典から学ぶ戦略論】クラウゼヴィッツと孫子の違い/E・Hカー『危機の二十年』の要点/ウォルツが分析した戦争の原因/抑止力とは何か/戦略文化の違いと台湾有事シナリオ/日本に欠けている議論

司会者はNHK出身の記者である小手森さん。これまでにも何度かご一緒させていただいたことがあるのですが、質問が実に的確で、安心して答えることができました。本メルマガの中でも述べた習近平の話にも触れています。

後半では、本に書かれていない私の大きな問題意識についても語っています。いずれも40分前後でよくまとまっていますので、ぜひご覧ください!

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好評発売中の書籍
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■ 『世界最強の地政学』文春新書
■ 『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■ 『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版
■ 『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社
■ 『戦略論入門-自衛隊幹部学校 講義録』中公新書ラクレ 中央公論新社(★最新刊★)

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