ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/10/04 18:00  | 戦略論 |  コメント(0)

戦死者が出たらどうするのか


今週も色々と国際政治が動いていますが、まず気になるのは、イスラエルのテル・アビブ行きの飛行機がハイジャック未遂に遭ったという事件。

■ 副操縦士、おので機長襲う テロ未遂で捜査 イスラエル便事件(10/3 時事通信)

この事件の恐ろしいのは、なんと犯人が副操縦士で、しかも過去にイスラム系の過激な思想に染まってオマーンの航空会社を解雇されていた人物だったこと。イスラエル行きのアラブ首長国連邦の航空会社(フライドバイ社)で勤務し、機会をうかがっていた可能性が指摘されています。

■ イスラエル行き旅客機襲撃、容疑者のSNSにアルカイダ元指導者の画像(10/3 CNN)

なんとも物騒な話ですが、実はアメリカがイランを攻撃する前から、この種のテロ事案に関する話はジワジワと増えてきていました。日本の大手メディアではほとんどスルーされていましたが、イギリスでは一歩間違えば大災害という以下のような未遂事件も報じられています。

■ 英空軍基地のテロ計画、英・イラン二重国籍の男を逮捕 テロ行為準備の疑い(10/2 CNN)

これは2026年9月27日の未明に、イギリス南部にある米軍が使用するフェアフォード英空軍基地の周辺で、テロを準備していた疑いによって男が逮捕されたという事件です。「3台の不審なバンが基地に向かって走行している」との通報を受け、警察がロンドン出身の20代のイギリス国籍の男5人をテロ準備や爆発物取締法違反の疑いで逮捕し、翌日に釈放したとのこと。

逮捕前には、容疑者の1人が自ら警察に通報していたとも報じられています。その3日後の30日、英首相はこの事件について「イランが関与したことを強く示唆する兆候(強い証拠)がある」として、国を挙げた背後関係を指摘しました。

日本では、中国政府が外交声明で「高市首相を呼び捨てにした」という程度で、まだそれほど事態は緊迫しているわけではありません。しかしこのように世界の地域で情勢がきな臭くなっている事実を踏まえると、決して安心できるような状態とは言えないでしょう。

そこで今回は、私が「いつかは触れなければならない」と考えていたことをあえて取り上げたいと思います。それは、「もし日本が危機に巻き込まれ、戦死者が出たらどうするのか」という、実にヘビーなテーマです。

私自身、このことを考えると常に心が沈みますが、日本が将来直面する可能性があり、目を背けてはいけない課題であることは間違いありません。ドイツが直面した例を参考にしつつ、日本政府は何をしなければいけないのか、そして国民やメディアはそれをどのように受け取るべきなのかについて論じたいと思います。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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戦死者が出たらどうするのか
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▼ドイツの対応
▼政治側が動く
▼日本の対応は?
▼戦争の正当化ではなく
▼国民とメディア

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近況報告
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広島に出張し、陸上自衛隊の駐屯地と海上自衛隊の基地をそれぞれ見学させていただきました。今回の目玉は、なんといっても「自衛隊海上輸送群」でした。

■ 陸上部隊が「船乗り」に!?→「海自のやり方、全然ちげえ…」どう乗り越えた? 「自衛隊海上輸送群」発足まで(25/11/17 乗りものニュース)

直前まで多忙だったこともあり事前調査ができていなかったのですが、行ってみて驚きました。なんと陸上自衛隊が、非常時に自前で部隊を海上輸送することを目的とした、新設の組織を立ち上げていたのです。

戦前には旧日本陸軍が「船舶司令部」を創設し、広島に「陸軍船舶部隊」(暁部隊)を置いて兵隊を海上輸送していたという事実があります。しかし戦後は一貫して海上自衛隊がその任務を担っていました。ところが海自も船が足りないため、陸上自衛隊が自前で船を運用する必要に迫られたわけです。

表向きは陸・海・空の三軍が合同で運用する、いわば「統合」の部隊なのですが、実際に訪れてみると、船員は陸上自衛隊員がほぼ主体。緑色のカモフラージュの制服を着ている「船員」というのはこれまでにない光景でした。

この「陸自が船を自前で持つ」ということは、すなわち海自が陸自の部隊を輸送する余裕を失いつつあるという現実を意味することなのでしょう。やはり国際環境は厳しくなっています。

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