2026/08/17 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第377号 Weekly ZAP!!

●プロローグ
●先週のマーケット
●今週の米経済統計(予想)
●先週の米経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 米7月インフレデータ
・CPI 7月
・PPI 7月
2. 米7月小売売上高
3. 新規失業保険申請
●注目テーマ
〇日銀7月主な意見はタカ派的
〇日PPI鈍化でもCPIに火種
●あとがき
●プロローグ
先週は、CPI、PPI、小売売上と注目指標が重なった。しかし、季節的要因や中東情勢の悪化再燃の影響を含めて取り扱う必要もあり、丁寧に見ていきたい。
また、日銀の利上げ議論もマーケットを賑わせているが、政府・日銀・マーケットそれぞれの視点から見ていきたい。それではさっそく始めよう。
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あとがき
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今週もここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。
内閣改造観測で、交代論が浮上した片山財務大臣、その動向には注目が集まりますが、筆者が注目したのがネット番組に出演した際の以下の発言。
「新たな予算編成では、民間投資誘発効果がないものはダメ、成長への寄与がないものもダメ。だからクールジャパン機構のような国の金でしかやりようがないものは率先して潰してもらう。」
この発言に対し称賛の声も多いが、要は、成長や民間投資につながらないモノはダメ、国の金頼みのクールジャパンみたいなのは真っ先に潰すべき、と言っている。クールジャパン機構と言えば、日本のアニメ、食などの魅力を海外に売り込む企業を支援するため、2013年に国と民間が共同で設立した官民ファンドで、累積赤字が540億円に膨らんでおり、現在政府は統廃合や廃止を視野に検証を進めている。だいたい、当初から悠然と六本木ヒルズに巨大な事務所を構えているところからしてお察しなのである。
なんともとんでもない話だが、当時、私もシンガポールでクールジャパンから出資を受けながらとんでもなくずさんな運営で資金を溶かした事業を見ているので、ある意味、片山大臣の言うこともわからなくもない。
ただし一方で、私は片山大臣の発言に大いに疑問を感じてもいる。
それは、国の金は、民間では初期投資できないようなところに出すからこそ意味がある、と考えるからだ。大臣の言葉を借りれば「国の金でしかやりようがないもの」に率先して投資をする必要もある、ということだ。
例えば、私はビジネスで、国立大学医学部の教授と多くお付き合いをさせていただいている。彼ら、彼女らは一様に口をそろえて「(研究のための)お金がない」という。これは年間のバジェットが少ない、というだけでなく、例えば外科で新しい術式が生み出されても、それが世に出る(一般の手術に導入できるようになる)には規定を満たした手術を複数回行い、厚労省に認証してもらわないといけない。しかし、保険も効かないそれらの手術の費用はどうするのかという問題が出てくる。そうなると、教授がスポンサー集めに奔走し、メディア出演とクラウドファンディングを繰り返し、手術の資金集めをしたりする。
有名なところでは、iPS細胞の作製に成功した山中教授が何十年もチャリティーマラソンで資金集めをしているのにはそうした理由がある。山中教授はご自身の資金集めについては、「国からの資金は税金が原資なので、大規模災害の発生や政治的な判断によってその額が上下する可能性もある。国からの資金だけに頼らないのは、研究費を調達する上でのリスク分散の側面がある。」という持論があるが、その一方で、今でも3年、5年の助成期間が終わった後に、目に見える成果がないと、再度申請することは難しく、研究がなかなか続かない現実があると憂いてもいる。いずれにしても、息の長い投資がないという問題がある。
こうした、国民の生命にかかわる研究や開発は、投資回収に時間がかかり、なかなか民間の資金が入りづらい。こういったものこそ国の金でやるべきではないだろうか。利益がでない可能性が高く、リスクと収益が合わないが社会的に必要なものだからこそ、国が金を出す必要がある。片山大臣はクールジャパンを悪者にしているが、そんなクールジャパンも当時の政府が成長寄与があると思って、自信満々で投資した国家事業が全然だめだったわけで、今回だけは正しい判断ができるかは怪しいものだろう。
だが、その教訓は生かされているのだろうか。先日政府は、戦略17分野(優先支援62項目)で、各技術の「勝ち筋」や投資額を示した官民ロードマップを策定し、2040年度までに370兆円超を官民合計で投資する計画をまとめたそうだが、ほんとにそんな勝ち筋が国にわかるなら、国策として設立されたエルピーダメモリは米マイクロンに買われてないし、キオクシア(旧東芝メモリ)は米投資ファンドであるベインキャピタル主導の日米韓連合に買われてないだろう。
つまり、事業に対する目利きと社会的意義を見出す力が、お金を出す側(国)になければ、クールジャパンだろうが、戦略17分野への投資だろうが失敗するだろう。民間投資誘発効果があって、成長への寄与があるものなど、とっくに民間から資金を集め自走できるはずだ。AI・半導体などの先端技術ももちろん重要だが、医療や教育、福祉や国のインフラなど、むしろビジネスとして民間からの投資につながりづらいが、絶対に国民の未来にとって必要で、国の金でやるべき分野に配分してもらいたいものだが、大丈夫だろうか?
さて、熊本地震が起きて2週間足らずで、今度は千葉県が線状降水帯による非常に激しい雨に見舞われました。金曜日の夕方ということもあり、帰宅困難者も多数、市街地でも低地ではあっという間に家や車が浸水して、多くの被害が出てしまっています。この週末も後片付けに追われた方も多く、被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。
私も時々千葉には仕事で行きますが、普段見知った場所が、水没してひどい状況になっているのを見て、唖然としました。水の被害は、一寸先は闇というか、あっという間に車をも飲み込むような水の勢いがあったかと思えば、30分もしないうちに、水が引いていくこともあり、映像を見ていても一瞬の判断が明暗を分ける怖さを実感しました。
知人や仕事仲間、お客様も皆さん無事でしたが、アンダーパスや土地の低い地域を避けて大回りして帰宅するなど、苦労されたようです。また、千葉と言えば、枝豆でおなじみの宮本農業さんにもご連絡させていただきましたが、道路冠水もわずかとのことでした。小糸在来は雨に強い品種のため生育にも問題ないとのことですが、近隣では米農家の方もおられるようで、お仲間を心配されていました。農業従事者の皆さんは荒ぶる気候でご苦労が絶えないことと思いますが、どうか頑張って収穫に漕ぎつけていただきたいと願ってやみません。
今週からお盆休み明けの方も多いと思います。ペースを戻しながら、今週もよい1週間をお過ごしください!
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