ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/06/01 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第360号 錯綜続く中東情勢も株価は高値更新


●プロローグ
●先週のマーケット
●今週の米経済統計(予想)
●先週の米経済統計(結果)
●経済統計分析

1. CB消費者信頼感5月
2. PCEデフレータ
3. 新規失業保険申請
4. 国内消費者物価(CPI)
●注目テーマ
〇植田総裁発言の変調
〇錯綜する米・イラン交渉
●あとがき

●プロローグ

一進一退する米・イラン情勢を横目に、マーケットは楽観的な動きを続けているが、各国中銀からはインフレの高止まりに警鐘を鳴らす声もチラホラ聞こえてくる。慎重に政策を進めていきたいところだが、我らが日銀はどうだろうか?中東情勢を抑えつつ、来月に決定会合を控えた日銀についても見ていく。さっそく始めよう。

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あとがき
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※交錯するマーケットについて触れています。

さて、政府が来年4月1日から飲食料品の消費税率を1%に引き下げる方向で検討していると報じられた。

高市首相はゼロ税率を目指していたが、レジ改修に時間がかかる(ゼロにすることは難しいらしい)ことから1%なら開始までの期間を大幅に短縮でき、首相の意向を反映できるとの判断があったようだ。2027年4月から2年間、9%相当の減税措置が予定されているが、この恩恵が消費者に届くかは正直疑わしい。

というのも、本日6月1日から食品559品目、10月からさらに3,593品目の値上げが決定済みであり、減税前からすでに価格上昇圧力は現実のものとなっている。先日モノトーンパッケージで政府からいちゃもんをつけられた(?)カルビーも17品目で5〜30%の値上げを予定していると報じられており、また政権から呼び出しを食らうかは別として、9%の税率引き下げはこうした個別品目の値上げ率だけで容易に吸収されてしまう。

そもそも、これら各企業の価格転嫁はなぜ進んでいるのか。供給ショックによるコストプッシュインフレの影響はあるものの、政策の不透明感が予防的値上げを招いているという側面は否定できない。為替や金利を政策的に抑え込もうとする現政権のスタンスが、企業の事業計画に大きな不確実性をもたらしている。

その政策が持続可能かどうか分からない以上、企業は為替をはじめとした事業計画が立てられず、結果として収益の不確実性に備えてマージンを広めに設定せざるを得ない。結果としてそのコストは消費者が負担することになるのだ。相場を無理に管理しようとする政策コストは、物価を通じて消費者に転嫁され、購買力を静かに削り取る

減税による家計支援を打ち出しながら、その政策スタンス自体がインフレを助長しているという皮肉な構図だ。だとすると、コストプッシュというより、政府の経済政策が引き起こしているインフレと言えるのではないだろうか。

さて、今日から6月ですが、早くも沖縄・奄美に台風が接近しています。水曜日には関東地方では200ミリを超える雨量との予想もあり、勢力が強い。台風の通り道にお住まいの方はくれぐれも気を付けてすごしましょう。

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