ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/02/09 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第343号 自民圧勝でマーケットは視界良好か?


先週は、短期間の政府閉鎖の影響で、月初恒例の雇用統計発表が翌週に延期となりました。マーケットをにぎわせたのは、企業決算や国内の選挙の行方かもしれません。メルマガ配信時には、選挙の情勢も判明していますが、国内政治(およびマーケット)への国内外の投資家のスタンスなども取り上げていますのでお付き合いください。

●先週のマーケット
●プロローグ
●今週の米経済統計(予想)
●先週の米経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 雇用関連
 ・ADP雇用報告1月
 ・新規失業保険申請件数
 ・JOLTS12月
2. ISMインデックス
 ・ISM製造業 1月
 ・ISMサービス業 1月
●注目テーマ
・高市トレード再び?!
・燻るイラン情勢
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

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あとがき
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昨日行われた衆議院選挙、このメルマガ執筆中の現在も開票作業中ですが、自民単独で315議席と、3分の2議席以上を確保するという凄まじい勢い。憲法改正の発議には憲法で「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を要すると定めていることから、衆議院側での要件を満たすことになり憲法改正の発議も視野に入ってくることになる。以前から憲法改正を訴えている、高市首相もこのラインを意識していると思われる。

ここに至るまで、自公連立解消、中道の誕生、最短の選挙期間、東北北陸、北海道などの豪雪や、関東地方でも投票日に久々の(わずかな)積雪と、異例づくめの選挙戦でしたが、野党に流れていた保守票を一気に取り返したのは勿論、これまで選挙に興味がなかった無党派層を掘り起こし、投票に向かわせた高市首相の功績は大きく、当然そういった有権者は自民党に入れることになる。そして、何より野党のふがいなさが目立っており、自民党にとっては相手が弱すぎて、代替になりえる党がないことから消去法的に自民党に入れざるを得ないという側面もあったであろう。

また明日から、高市第2次政権がはじまるわけですが、閣僚も現状のまま継続ということで、国民から絶大な信認を得た高市内閣はより勢いを増すことになるのでしょうが、不安がないわけではない。

特に、我々のような金融実務をやってる人間からすると高市政権になって以降、市場の不安定さを目の当たりにしているので、不安を感じずにはいられない。為替や財政について言わなくてもいいことを言ってしまう高市首相の発言で、まだ積極財政をしているわけもないのに円安、債券安を助長するという・・・

その一つが、先週のあとがきで触れた高市首相のホクホク発言ということになりますが、先週2日(月)、その発言に懸念を示したとされる、みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト唐鎌大輔氏が出した1本のレポートが波紋を呼んだ。ちなみに、このレポートは「みずほマーケット・トピック」として定期的に出しているもので、わざわざ高市発言に対して発行したものではなく、また、高市発言をみずほ銀行が否定しているという趣旨のものでもない。

その趣旨は、高市首相の「円安は輸出産業のチャンス」「関税のバッファ」「外為特会がホクホク」といった発信が“円安容認”と受け止められ炎上した経緯を整理しつつ、本質は

(1)「為替が修正されれば、日本企業の行動変容が劇的に期待できる」という前時代的な価値観には違和感がある
(2)(外為特会(外貨準備)は有事の「弾薬」であり)有事の際に温存されておくべき弾薬と理解されているのかどうか疑問
(3)為替に左右されない構造改革を語るなら、為替水準への不用意な言及を避け、これまで議論されている多様な知見を共有し、政策判断に取り込むべきだ

というもので、本レポートには多くのマーケット関係者が同意を示した。

このレポート配信前日に、首相は自身のSNSで「(ホクホク発言は)円安メリットを強調したものではない」などと釈明に追われたが、強調しているかどうかはともかく、確実に言わなくて良かった、言ったところでメリットのない不用意な発言をしてしまうのはまずい。さらに、円安を強調しているかどうかより、外為特会は通貨防衛のためのもので外貨であることに意味があるお金であり、円安で外為特会の円評価額が増えただけで国民はだれも潤うものではない。ブレーンに何かを囁かれてあんな発言をしたのかもしれないが、あの認識を見たら金融リテラシーのなさを批判されても仕方がない。

とはいえ、一連の高市首相の発言を見ると、最もと思える部分も多いわけですが、うかつな発言をしてしまうのは残念。しかし、そんな高市発言を批判している人たちですら、今回の選挙では自民党に投票するしかないというのが自民党圧勝の背景の一つでしょう。ということで、圧倒的な議席数を背負った高市政権がここから始動する。日本にとって大きな転換点となるのか注目したい。

というわけで、今週もよろしくお願いします。

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