ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/02/23 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第346号 米最高裁、トランプ関税は違憲


●プロローグ
●先週のマーケット
●今週の米経済統計(予想)
●先週の米経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 住宅関連指標
 ・中古住宅販売件数 1月
 ・建築業者のセンチメント
2. 新規失業保険申請件数
3. PCEデフレータ
4. FOMC議事要旨
●注目テーマ
〇トランプ関税に違憲判決
 ・最高裁がIEEPA関税を違憲と判断
 ・法廷闘争の経緯と最終決着
 ・代替関税の動きとマーケットの反応
●あとがき

●プロローグ

先週は、発表が予定されている経済指標は小粒なものが多く谷間の週となった。発表される経済指標の中には、いまだに政府閉鎖の影響でリズムが狂っているものもあり見どころも薄い。

そんな中で週末に出てきたのが、最高裁が下したトランプ関税に対する違憲判決。違憲という結果自体は、大方が予想していたため市場の反応も落ち着いている。何より、違憲判決に対してトランプ大統領がブチ切れて怒りに任せて対抗措置を取ろうとしていなさそうなのは安心材料と言える。

何より違憲とされた関税の代替措置として課した関税の税率を、最高15%でもいいところを10%としたこともトランプらしからぬ冷静な対応。と、安心していたら、まだ発動もしていない代替関税を10%から「15%に上げる」と表明したとの報道。

6月には御年80歳になるというのに、働いて働いて働いて働いて働いて止まらないトランプ。お願いだから週末くらい休んでいてほしい、と切実に願いながら執筆したメルマガ、さっそく始めましょう。

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あとがき
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衆院選が終わり12日目の20日(金)に、高市首相の施政方針演説が行われた。少数与党で、野党議員からたくさんのヤジが飛んだ昨年10月の所信表明演説時とは全く違い、時に余裕の表れとも見える笑みをたたえながらの演説で、歴代3番目の長さの演説となった。戦後最多316議席を占める衆院本会議場は割れんばかりの拍手に包まれた。

年度内の予算成立を目指すと意気込んでいる高市首相だが、どこまで有言実行できるのか注目が集まっている。「成長のスイッチを押して押して押して押して押しまくってまいります。」と鉄板ネタのようなキャッチフレーズが飛び出した。果たして正しい「成長のスイッチ」を押せるのか?変なスイッチを押さないのか警戒しつつ、高市第二次政権に期待していきたい。

先週もイラン情勢の緊迫感が増している。表だって伝わるヘッドラインだけ見ていると、イラン政府からは米国との会合は「米国と基本原則の合意」と伝えられたかと思えば、イラン大統領が「テヘランは平和的な核計画を放棄しない」と宣言したと伝わるなど、表のヘッドラインだけ見ていると裏で何が動いているのかわからなくなる。

一方、米国側としては、娘婿のクシュナーも送り込んで話し合いで落としどころを見つけたかったところだろうが、週末には、米空軍が展開可能戦力の40~50%を中東に展開しており(イラク戦争並み)、これまでこの規模の戦力を展開して交戦がなかった例がないくらいと指摘されるような状況。

また、イスラエルメディアでは、イランとの核協議が限界に達し外交的にこれ以上進展させるのは困難だと米国が示唆した、とイスラエルの当局者の話として報道されるなど、先週出てきたヘッドラインだけ見ていると情勢がどう急転してもおかしくはない状況と言える。

月曜か火曜に米国がイランを攻撃することを決定するとまで言われており(メルマガが届くころにはまた情勢が変わっているかもしれないが)、米国がイランを攻撃する可能性は相応に高まっている。ただし、米国が全面的な軍事攻撃に踏み切るかと言えば、その可能性は低いと思われる。

トランプ大統領の戦略から見えるのは、”米国の安全”が最優先であり、だからこそのベネズエラの件であり、メキシコのカルテルや、カナダからの麻薬流入・不法移民の排除だったわけで、正直遠く離れた中東に関心はそこまで高くないと言える。中間選挙を控えていることを考えれば、全面的な軍事攻撃に踏み切り長引くことは避けたいだろう。

一方で、米国報道では、トランプとイスラエルのネタニヤフの会談で、イランと米国の交渉が物別れに終わった場合、イスラエルが攻撃をすることを米国が支援することに合意したと報じており、攻撃の主導権は既にイスラエル側にあるとようにも見える。過去にイスラエルが暴発してイランにミサイルを撃ち込んだように、今回も暴発すれば、米国は関与せざるを得ない状況になるということも想定される。いずれにしても目が離せない状況が続いている。

さて、そんな中、米国では今週24日にトランプ大統領が一般教書演説を行う。今年は米国建国250年の節目の年で、さらに11月には中間選挙を控えるタイミングで、トランプ大統領は1年間の実績をアピールしつつ、自身が描く国家像を語るとみられている。また、本文でもふれたようにトランプ政権は最高裁から関税違憲判決が出てしまった。一般教書演説の中で、トランプは判決に対して非難を浴びせる可能性があり、ある意味どんな内容になるか注目ではある。

その他、今週はエヌビディアやセールスフォースの決算を控えるなど、統計発表は控えめでも、何かとイベントが多い1週間となりそう。

というわけで、本日3連休最終日の方も多いかもしれませんが、今週も良い1週間をお過ごしください!

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