ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/05/04 06:30  | メルマガ |  コメント(4)

第356号 不確実性に強弱分かれた中銀ウィーク


●プロローグ
●先週のマーケット
●今週の米経済統計(予想)
●先週の米経済統計(結果)
●経済統計分析
1. PCEデフレータ
2. 新規失業保険申請
3. ビックテック1Q決算
●注目テーマ
〇日銀金融政策決定会合
〇4月FOMC
 ・FOMC statement
 ・総論
 ・さよならパウエル議長
〇意外な為替介入
〇中東情勢は長期消耗戦の様相
●あとがき


●プロローグ

先週は、各国中銀の金融政策決定会合が目白押しだった。中東情勢によるインフレ懸念がある中で、各中銀はどういう判断を下すのか注目を集めた。結論自体は想定内だったが、特にFED、日銀内では意見が分かれ、興味深い。

それでは始めよう。

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あとがき
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今週もここまでお付き合いいただき有り難うございました。

前述のように、中東情勢の解決に向けた動きは停滞しており、むしろ長期化の様相を呈してきている。当然のことながらエネルギー価格の上昇は止まらず、政府は、今夏の電気ガス代補助復活を検討しているという報道があり、このインフレ局面でもバラマキで対応することを考えているようだ。

先週、高市首相はSNSに「日本のガソリン価格については、3月19日から開始した緊急的な激変緩和措置により、全国平均小売価格は170円程度の水準となっています。」としたうえで「日本の価格は、欧州に比べ、半額程度であり、産油国である米国と同水準です。」と投稿しているが、産油国でもない日本のガソリン価格がこの水準にあることは、国が強烈に補助(バラマキ)していることを意味しており、当然円安を後押しすることになる。

一方で、円安を是正すべく為替介入に入るという、おかしな状態であったことは、すでに前述のとおりで本質的な議論は本文を見ていただくとして、この為替介入においては、片山財務相からは、「断固たる措置を取るタイミングが近づいてきた」三村財務官からは「最後の退避勧告」と、為替介入の歴史に刻まれるであろう発言が飛び出した。

また、片山財務相からは「外出の時もお休みの時もスマホを離さずに」といった既視感があるような発言も飛び出している。

ここで思い当たるのは、市場関係者によく知られているエピソードとして、「ミスター円」こと榊原英資氏が、財務省(当時は大蔵省)の国際金融局長を務めていた際に、部下に対して「夏休み中も携帯電話を離さずに持っておくように」という趣旨の指示を出したというエピソードだ。発言のあった当時の1995年は、ドル円相場が79円台という戦後最高値を更新したような時代で、通貨当局の「24時間体制」の緊張感を象徴するエピソードとして語り継がれている。

今回、片山財務相のスマホ発言が、榊原発言を現代風にリメイクし、携帯をスマホに置き換えて発言したのかは定かではないが、榊原氏が財務官として国際金融政策のトップに君臨していた時代、片山氏はその部下(課長)として実務を支える立場にあったことを考えると、榊原発言を意識した可能性は高いと思われる。

そんな名言から一夜明けた5月1日朝に三村財務官は円買い介入について聞かれ「大型連休はまだまだ序盤だと認識している」と発言している。少しやり方を変えてきた感じのある今回の為替介入、更なる介入を市場は警戒している。

というわけで、連休の折り返しという方も多いかと思いますが、連休の方は引き続き楽しいお休みを過ごしてください。お仕事の方は、共に頑張りましょう(笑)!

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4 comments on “第356号 不確実性に強弱分かれた中銀ウィーク
  1. ロッチ より
    モヤモヤがハレ

    いつもありがとうございます。

    ネタばれするのではっきり言えないですが(笑)、日銀の対応、政府要人の発言、実際のマーケットの反応に違和感があり、もやもやしていましたが、金融政策決定会合や介入へのSaltさんの言及を拝読しなるほどと思いました。

    過去との共通点と相違点を丁寧に見ていかないと、理解を間違いますね。

    連休もお仕事のご様子、頑張ってください。猫さまのこと、お悔やみ申し上げますとともに、Salt家を卒業した代々の猫様たちが虹の橋を渡って安らかに過ごしてくれていますように。。。

  2. 田口 より
    クラウド、AI投資

    GAFAmの決算説明ありがとうございます。

    クラウドとAI投資の関係性、自分うまく理解できていなく、ここの関係性を説明いただけますでしょうか。
    よろしくお願いいたします。

  3. Salt より
    ロッチさん

    いつもお読みいただき、ありがとうございます。

    今は金融政策やマーケットにとってイラン情勢という変数が大きすぎて難しい状況、メルマガを参考にしていただければ幸いです。

    そして、猫たちへのお気遣いありがとうございます。ロッチさんもよい1週間をお過ごしください。

  4. Salt より
    田口さん

    ご購読ありがとうございます。

    クラウド事業(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、等)がAIの世界で果たしている役割は、AIを動かすためのインフラを提供することです。事業者はそのインフラであるデータセンターを運営し、各社は将来のインフラ独占を狙い、数兆円規模のAI投資(設備投資)で自社専用チップや設備の拡充を急いでいるという状況です。

    この、AIを動かすためのインフラは、「AIを動かして課金するためのプラットフォーム」と言えるため、AIの需要が高まると、提供しているクラウド事業者は稼ぎやすい、ということになり、設備投資に見合う収益化が出来ることになります。

    お答えになっていますでしょうか?

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