ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/02/03 09:00  | 戦略論 |  コメント(0)

国防戦略から見えてくること


日々国際政治がめまぐるしく動いておりますが、最近の地政学・戦略関連のトピックでいえば、やはり注目は、トランプ政権によるイランへの二度目の攻撃が迫っているという話でしょうか。中東ではこの事態にそなえ、軍備が増強されているという話が出てきております。

空母打撃群にパトリオット、米軍が中東で軍備増強を加速 トランプ氏がイラン攻撃を検討する中(1/31 CNN)

このような軍事レベルの話も興味深いのですが、我々の住むインド太平洋地域では、先週のメルマガ(以下のリンク参照)でも触れた「カーニー演説」に絡む大戦略のレベルでの大変興味深い動きがありました。

「カーニー首相の隠れた警告」(1/24)

具体的には、カナダのカーニー首相が北京を訪問し、中国との新たな「戦略的パートナーシップ」を宣言したことです。

カナダ、中国との関係改善へ 新たな「戦略的パートナーシップ」打ち出す(1/18 CNN)

先週の記事でお伝えしたように、ダボスの演説で米国主導を世界秩序が消滅したことを宣言し、ツキュディデスを引用しながらミドルパワーの連携による「ルールに則った世界秩序」を維持することを主張したカーニー首相ですが、それとは裏腹に、中国というアメリカのライバルに擦り寄る行動(バランシング)を行っているわけです。実に興味深いものがあります。

同じくイギリスのスターマー首相は英首相として8年ぶりに北京を3日間の日程で訪問しましたが、その後には日本も訪問。カーニー首相よりは「ミドルパワーの連携」という戦略に忠実なバランスの良さも見せている印象です。

スターマー氏、習氏と会談 「実り多い」内容で「英中関係は良好かつ強固」と(1/29 CNN)

その合間にも、アメリカではトランプ大統領が相変わらず暴走中。ミネソタ州で移民関税執行局(ICE)に厳しい「不法移民取り締まり」を行わせていることが反発を受けて、いよいよ国民からの支持率が(有利であるとされる移民政策の分野でさえ)下がりはじめています。

支持率低迷のトランプ氏、「強さ」誇示の裏で膨らむ国民の不満(1/30 ブルームバーグ)

さらにダメージなのは、現地時間の1月30日に「エプスティーン文書」の残りと思われる350万ページに及ぶ大量の文書が司法省のサイトに公開されたことです。

Department of Justice Publishes 3.5 Million Responsive Pages in Compliance with the Epstein Files Transparency Act(1/30 U.S.Department of Justice)
Updates: Millions of Pages of Epstein Documents Released(1/30 The New York Times)

このニュースですが、そこに書かれている内容があまりにも壮絶すぎるのと、何しろ量が莫大なので、次々と報道がなされているのですが、処理するのが追いつかない状況です。これも全部ではなく、まだ残りの半分が公開されていないとのことですので、メディアもその中身を精査するのにはまだ時間がかかるのではないかと思われます。

この文書の中身についてそこまで真剣に扱うつもりはないのですが、新しいところではエプスティーンとロシア・イスラエルとの関係や、欧州の政治家とのからみ(もちろんアンドリュー元王子も)が指摘されていることから、本メルマガでもいずれ踏み込んで解説することになるかもしれません。

さて、今回の本題は、拙訳『アジア・ファースト』の著者でもあるエルブリッジ・コルビー国防次官が絡む「国防戦略」がつい先日発表されましたので、そこから見えてくるアメリカの本音について読み解きたいと思います。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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国防戦略から見えてくること
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▼アメリカの恐怖心
▼欧州とインド太平洋
▼国防戦略から見える世界観

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近況報告
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最近某大手サイトを見て感じるのですが、本の値段がかなり上がったと思いませんか?

私が主に買うような日本の専門書でも、最近は3,000円以上が当たり前となり、英語の原書だと6,000円以上するものが普通となってきています。

私にとって本は「知の源泉」というか、仕事に必要な「資材」でもあるので、歯を食いしばりながらポチっておりますが、ここまで値段が上がってくると人々が本当に買わなくなってきてしまうのでは、と不安になります。

アナログな考え方かもしれませんが、海外では日本の「積読」がTsundokuとして新たに脚光を浴びており、そこに深遠な意味を見出しているとの話もありますね。

ということで、持っていればいつか役に立つと信じて、今日も高い本を自分の仕事部屋に積み上げております。本は財産です。

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好評発売中の書籍
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『世界最強の地政学』文春新書(★増販決定!★)
『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(★再び増刷決定!★)
『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房(★増刷決定★)
『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書(第四刷決定!)
『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書(★最新刊★)

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