2026/08/18 15:00 | 戦略論 | コメント(0)
なぜアメリカは戦争で負け続けているのか
今週も色々と国際政治が動いていますが、今週はなんといっても日本にとって決定的なことが起こりました。プーチン大統領が突然、日本の北方領土の一部である択捉島を訪問したのです。
■ プーチン大統領の北方領土初訪問、その真の狙いは? 専門家が読み解く「軍事拠点」としての価値と領土問題の行方(8/16 ABEMA TIMES)
当然ながら日本国内では反発が起こり、高市首相もすぐに「日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できない」と強く抗議しました。これまでロシアとの接近を模索していた高市政権としては当然の対応でしょう。
これに関して、さっそく一部議員や識者たちからは「日本との関係の仕切り直しを迫るものだ」という意見が出ています。「ロシアの大統領としては当然のこと。右往左往してはならない。」とロシア側の立場を代弁するかのようなコメントも見かけます。
■ ロシアに独自パイプの鈴木宗男氏「一喜一憂してはならない」プーチン大統領の北方領土訪問を受け「いちいち反応するのは稚拙、知恵のある外交ではない」冷静な対応求める(8/13 北海道放送)
これはいわば「日本とロシアの関係を、北方領土訪問くらいで断絶させてはならない」という主張と考えられます。いまだにエネルギーをロシアから調達している日本にとっての「国益」を考えると、ロシアと決定的に関係を悪化させるのは得策ではないとの意見が出てくるのもたしかに理解できる面はあります。
しかし何と言っても、現職のロシア大統領に北方領土を初めて訪問されてしまったのです。ロシアとの関係維持や対話を重視する立場の人々は、この事実がまずもって明らかに「国益」を害していることを認識すべきです。
しかも、高市政権が「安倍路線の継承」という姿勢からロシアとの交流を再開した矢先のこの訪問です。結局のところ、ロシア側に隙を見せれば更につけ込まれるという、シンプルなミスが繰り返されているとしか言えません。
端的に言えば、日本外交は「失敗」しています。この失敗について検証し、関係者の責任を問い、然るべき処分を行わなければ、今後もロシアに同じようなことをされて、日本の主権が踏みにじられる事態が続くでしょう。
元外務省の分析官で作家の佐藤優氏は、朝日新聞の記事のコメント欄で、「一連の報道は表面的であり、ロシア側の内在的な論理の分析ができていない」と述べています。相変わらずロシアは日本を重視しているとの立場です。
■ プーチン氏、日本に揺さぶり 募った不満と不要になった「気遣い」(8/13 朝日新聞)
しかしこれはまさに「同じことを何度も繰り返し行い、違う結果を期待すること」ということで、結末は変わらないのに、別のエンディングが待っているのではないかと期待して同じ映画を何度も見返すのと同じです。「狂気」の沙汰のようにしか思えません。
日本政府内のロシア派や、ロシアに融和的すぎる議員たちも、まずは反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしていただきたいものです。
さて、今週の本題ですが、ハーバード大学の教授で数少ない「リアリスト」としても知られるスティーブン・ウォルトの興味深い論考を取り上げます。そのポイントと、そこから示唆される日本の防衛戦略について解説します。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
なぜアメリカは戦争で負け続けているのか
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▼アメリカは負け続けている
▼弱い国の方が強い?
▼弱者の戦略
▼日本がとるべき戦略
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近況報告
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大学院の講義で、最後の仕上げとして、市販のボードゲームを用いたウォーゲームをプレイしているのですが、この手のシミュレーションを使っている人々の間で毎回問題になることがあります。それは、「ゲームでの“勝利”にこだわるために、現実ではやらないようなことをするプレイヤー」の存在です。
私は戦略を学ぶために、あえて第二次世界大戦のボードゲームを使っています。プレイすることによって戦略の理解を深めることが目的なのですが、いざゲームがはじまると、「勝ち」にこだわりすぎて、たとえば「味方を人間の盾にして戦線を突破する」ような、実際の軍隊はやらないようなことを行う人も出てくるのです。
ここで気づくことが二つあります。
一つは、実はこの手のゲームでは「負ける」方が学びが深いということです。軍事演習などでも言われることですが、勝った方は気持ちよくなるだけで学びが少なく、むしろ負けた方が敗因を分析できるため、学習効果が高いのです。
そしてもう一つは、このようなゲームでの「禁じ手」と思われていたことが、実際の戦争でも使用されることがあるという点です。現在のウクライナやガザで行われていることを考えてみると、ゲームと現実の境界は意外に曖昧であることが分かります。
この現実とゲームの関係、深堀りしてみると興味深いことが色々と見えてきます。
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好評発売中の書籍
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■ 『世界最強の地政学』文春新書
■ 『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■ 『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版
■ 『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)
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