ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/08/23 19:00  | 戦略論 |  コメント(0)

弱者が強くなった世界


今週も色々と国際政治が動いていますが、気になるのは日本周辺がにわかにきな臭くなってきたことです。たとえば中国が沖縄の帰属に疑問を呈した以下の記事です。

中国、日本の沖縄帰属に「疑義」 フィリピンにも類似主張(8/20 共同通信)

「専門家は政治や社会の不安定化を狙う『認知戦』の一種だと指摘する」とのコメントが掲載されています。しかし、ここまで大っぴらにやる中国側のやり方は、実に雑だと感じますね。

このような日本人から見たらあり得ない主張をすれば、かえって中国に対する警戒感が強まるでしょう。もっとも逆に見れば、これほど雑な主張でも日本人は屈服すると北京側が考えている、という証拠とも受け取れます。

そこで気になるのは日経新聞の以下の記事です。

中ロ演習、太平洋防衛の「空白」突く 政府は3文書改定で抑止議論(7/28 日本経済新聞)

ここ一年ほど日本周辺で活発化している中国とロシアの共同軍事演習の動きを見つつ、実は日本の南側、太平洋側の広大な海域が十分に注目されてこなかったことを指摘しています。この地域での二国の動きに対応しきれていない日本側の現実が明らかになっているということです。

「頻発する中ロの軍事活動は日本の太平洋側の守りの隙を突くもの」ということですが、以前からこの地域ではインフラや防空体制の不備が指摘されてきました。歴史的な事情から小笠原諸島周辺には防空識別圏(ADIZ)が設定されていないため、自衛隊機が領空侵犯を防ぐための緊急発進(スクランブル)などの対領空侵犯措置を事前に講じることが難しいわけですね。

そうなってくると、硫黄島や南鳥島といった離島基地の重要性が増し、滑走路整備や機能強化というものが急務となってくるわけです。日本は粛々と太平洋側の守りを固めるとともに、戦略的には相手を第一列島線内に封じ込めるような策を積極的に打ち出していくフェーズに来ているように感じます。

しかも相手は強者のアプローチ、いわゆる「ストロング・スタイル」でやってきています。したがって、前回のメルマガ第89号(以下のリンク参照)で書いたように「弱者のアプローチ」を意識すべきでしょう。

「なぜアメリカは戦争で負け続けているのか」(8/18)

ということで今週は、先週に続き「弱者の戦略」を考えてみたいと思います。本メルマガではおなじみのシカゴ大学のロバート・ペイプ教授の議論を取り上げます。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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弱者が強くなった世界
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▼2つの軍事的革命
▼弱者の時代
▼日本の戦略
▼弱者の自覚
▼強者の自覚

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近況報告
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私は自衛隊員向けの新聞を読むのが好きで、「朝雲」というマニアック(?)な新聞を定期購読してしまうほどなのですが、もうひとつメジャーな自衛隊員向けの新聞として、「防衛ホーム」があります。

HPには記事があまり出ていないので、ネット上での存在感はそれほど大きくないと思いますが、基地などに行くと必ず置いてあります。

今日も某基地に行ったので手に取ったところ、以下のような店(?)の広告を見つけました。

シムピットストア

かなり本格的なシミュレーターを備えており、F-35のような最新の戦闘機も仮想的に操縦できるとのことです。

記事には「打ち上げやパーティーをここでやりませんか?」と書かれていました。考えてみれば、人前で歌うのが苦手な人であれば、カラオケに行くよりも、戦闘機をフライトさせる方が気軽で楽しいかもしれません。

ということで、一度体験に行ってみようと思っている今日この頃でした。

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好評発売中の書籍
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『世界最強の地政学』文春新書
『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版
『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社
『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)

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