2026/09/15 09:00 | 戦略論 | コメント(0)
ルトワックに聞いた「戦略家」としての心構え
今週も色々と国際政治が動いておりますが、やはり中東のペルシャ湾周辺の情勢でしょう。今週起きた出来事は世界経済を巻き込み、日本にもかなり影響が出てきそうな流れになっています。
まず気になるのは、フーシ派がイエメンの紅海沿岸の港を掌握したという報道です。ご存知のように、フーシ派は2015年から続くイエメン内戦で勢力を伸ばしている、イランの支援を受けているとされるシーア派の軍閥です。
■ フーシ派が海峡周辺掌握 イエメン沖ホルムズ代替路(9/11 共同通信)
フーシ派は、2023年10月のハマスによる襲撃以降、反イスラエルの立場から紅海に向けて対艦弾道ミサイルを発射するなど、「イスラエル向け」の船舶への攻撃を始めています。オマーンの仲介で一度は停戦したものの、今回のイラン案件から再び攻撃を開始したとされ、さっそく隣国のサウジアラビアとの軍事衝突も再燃しています。
ホルムズ海峡封鎖のリスクが続く中、日本はその代替えルートとして、紅海のヤンブー港からパイプラインでやってくる原油を、バブエルマンデブ海峡、さらにはスエズ運河経由で運ぼうとしてきました。しかし今回のフーシ派の勢力拡大は、この代替ルートにも影響を及ぼしかねない状況です。
さらに厄介なことは、以下のニュースにもあるように、なんとヤンブーに原油を運んでくるための東西パイプラインが、どうやらサウジ領内で爆破されたという話が出てきていることです。「イラク」から飛来したドローンによるものと見られています。
■ サウジ、複数の攻撃受け東西の原油パイプライン停止 ホルムズ代替ルート(9/12 日本経済新聞)
軍事力の弱いサウジアラビアのムハンマド皇太子は、トランプ米大統領にフーシ派への攻撃を要請しました。しかし米側は直接介入を避け、サウジへの情報提供と標的データの共有にとどめているとのことです。
ホルムズ海峡の封鎖リスクが続く中、バックアップ路線である東西パイプラインの停止は、当然ながらエネルギー市場の変動要因(典型的な地政学リスクですね)となります。しかもここから日本の輸入原油の三分の一がこのルートに依存しているという話もあり、相変わらず日本経済にとっても不安定な状況が続きます。
本メルマガでも何度か触れてきましたが、トランプ大統領がイランに対して「勝てる」構造は存在しません(以下のリンク参照)。日本のエネルギー調達を担う実務家たちは深刻なジレンマに悩みながら仕事をする状態が続きそうです。
・「不都合な真実」(7/19)
さて今回のテーマは、「戦略家を育てるにはどうしたらよいのか」です。きっかけは、ある組織からこれと似たようなテーマで話をしてくれという依頼があったからですが、私自身も長年考えてきたことだったので、喜んでお引き受けしました。
ところが思いつく関連文献は意外と少なく、途方にくれていたところに、直近でアメリカの海軍大学が発行する雑誌に興味深い議論が出ました。そこでまずはこれを紹介し、そこから少し前に戦略家であるルトワックから聞いた話を交えながらお伝えします。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
ルトワックに聞いた「戦略家」としての心構え
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▼元海軍軍人のエッセイ
▼ルトワックのアドバイス
▼戦略家を育てるには
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近況報告
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都内でまた、ボードゲームをつかって「地政学」を教えるという、社会人講座での講義を行ってきました。毎回この種の社会人講座で感心させられるのが、単位目的で来ている現役の大学生たちとの意識の違いです。
なんというか、純粋に「知りたいから」という学問への情熱が高いんですよね。しかも今回の夏講座は、なぜかリタイアされた悠々自適のシニアの方々が多かったため、仕上げに行うボードゲーム(チーム戦です)は正直なところ難しいかもと思ったのですが、意外にもみなさん積極的に生き生きとプレイしており、終始笑顔でした。
懇親会のときになぜ苦にならないのかと聞いたら、「ボードゲームのようにチームで目標を決めてプロジェクトを動かすというのは、散々会社でやってきたので、なじみがあるんですよ」とのこと。人生経験があると、それが別の分野にも活かせるということを気づかされ、私にとっても学びの機会になりました。
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好評発売中の書籍
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■ 『世界最強の地政学』文春新書
■ 『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■ 『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版
■ 『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)
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