ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/09/19 18:00  | 戦略論 |  コメント(0)

アメリカは第二列島線に撤退せよ?


今週も色々と国際政治が動いていますが、注目すべきは連休明けに実現する、米国での米中首脳会談でしょう。なんとトランプ大統領自身が習近平国家主席を空港まで出迎えるとのこと。

習近平氏訪米は異例の厚遇へ トランプ大統領自ら出迎え(9/18 共同通信)

これはかなり力の入った歓迎姿勢を示すものです。5月の訪中での首脳会談が目立った成果を残せなかったことを考えると、大統領は今回こそはと期待を高めているのかもしれません。

その一方で、足元の対イランの軍事作戦の惨状が徐々に明らかになりつつあります。以下の記事では、米側も大きなダメージを受けていたことがわかります。

対イラン作戦の戦費5兆9000億円、想定より膨らむ…「迎撃ミサイルの在庫回復に少なくとも5年」(9/16 読売新聞オンライン)

米議会予算局は「国防総省の迎撃ミサイルの在庫を回復させるのに少なくとも5年はかかる」としています。対中抑止にも使われるものが含まれているため、日本の安全保障にも潜在的に相当な影響が及ぶことになります。

さらに深刻なのは、ペルシャ湾周辺の米軍の基地がかなりダメージを受けていること。以下の記事などでは、修復可能性すら疑問視する声もあります。

Iran war puts future US military presence in Middle East in question(9/17 THE HILL)

特に気になるのは、「バーレーン海軍支援活動基地(Naval Support Activity Bahrain)」がほぼ使用不能になっていることです。米海軍の第五艦隊の司令部が置かれている重要拠点であり、私の地元である横須賀にある「米海軍横須賀基地(U.S. Fleet Activities Yokosuka)」が中国や北朝鮮の攻撃により使用不能になったような深刻さです。

中東の話なので、「米軍施設の壊滅的被害」といわれても日本では実感しにくいかもしれません。しかしこのレベルのことがアジアで起きた場合の影響は計り知れません。

アメリカの後ろ盾を失った湾岸諸国が、イランと相次いで独自の交渉を開始している状況は、日本でも本来もっと話題になるべきです。それほど深刻な事態が現在中東で起こっていることを、我々は真剣に認識すべきでしょう。

さて、今回はこれに関連して、「米軍は第一列島線から撤退せよ」という報告書を取り上げます。著者は「ディフェンス・プライオリティ」というマイナーなシンクタンクの研究員ジェニファー・カヴァナー。

A second island chain strategy for Asia(9/10 DEFENSE PRIORITIES)

発表のタイミングがちょうど沖縄の知事選挙の前後だったこともあり、日本でも一部の安全保障専門家が注目しましたが、世界のメディアも取り上げられており、触れないわけにはいきません。この物議を醸すようにも思える挑発的な報告書について、私なりの分析を述べます。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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アメリカは第二列島線に撤退せよ?
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▼第二列島線まで下がれ
▼オフショア・バランシング?
▼カヴァナーの矛盾
▼日本への示唆

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近況報告
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編集者のおかげで実に読みやすくなっております。ぜひご家庭に一冊を!

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『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社
『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)

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