2026/07/19 08:00 | 戦略論 | コメント(0)
不都合な真実
今週も国際政治が大きく動いていますが、注目はやはりホルムズ海峡の再封鎖、そしてそこから見えてきた米・イランの合意崩壊です。
この件についてはやはり触れないわけにはいきませんね。まず以下の時事通信の記事をご覧ください。
■ ホルムズ封鎖「核より強力」 イラン、対米強硬姿勢崩さず(7/17 時事通信)
ここで紹介されているのは、「イランが海峡封鎖を『核兵器より強力な武器』と認識した」という分析です。これは本メルマガでも繰り返し述べてきたことですが、シカゴ大学のロバート・ペイプ教授が提示する「エスカレーション・トラップ」の枠組みでいえば、米軍が最初に大規模な攻撃を仕掛ける「第一ステージ」の後に続く「第二ステージ」、すなわち「水平エスカレーション」(Horizontal Escalation)に当たるものです。
戦略系の研究者の間では、海峡封鎖は「さすがに核オプションと同じくらいのインパクトがあるからやらないだろう」という見方が一般的でした。しかし、2月末の攻撃で最高指導者を殺害されたことで、イランはすぐに「第二ステージ」、すなわち海峡封鎖に踏み切ったのです(以下の記事参照)。
・「トランプがはまる『ワナ』」(5/10)
その後紆余曲折を経て、6月17日の「戦闘終結の覚書」(MOU)に至りましたが、そこから早くも米・イラン間で3度の武力行使(6月25〜26日、7月6〜8日、同月12〜14日)が発生、実質的にMOUは破綻しました。これがここ1ヶ月ほどの情勢ですね。
ここから何が起こるのかについては、複数のシナリオ分析などが提示されています。ただ本質的な観点から確実に言えるのは、「トランプ政権には良い選択肢が残されていない」ということです。
たとえば以下のCNNの記事では、膠着状態を打開するため、軍事オプション(カーグ島への地上部隊の展開など)が検討されているとのこと。もしこれが進めば、ペイプの「トラップ」における「第三ステージ」、すなわち「よりリスクの高い選択肢(地上作戦や長期の消耗戦など)を検討・実行し、泥沼化する段階」に移ることになります。
■ Trump weighing options for expanding military operations in Iran(7/16 CNN)
トランプ大統領はこれまで、軍事オプションを選択しながらも抑制的な態度をとり、陸上部隊の投入を避けてきました。それでも最終的には、(1)降伏(capitulation)あるいは(2)さらなる紛争激化(第三ステージへの移行)という、2つの「究極の選択」しか残されていないのが現実と私は見ています。
日本では幸いなことに、すでにペルシャ湾からのエネルギー資源の調達先を素早く変更する動きが進んでいます。同湾を回避するインフラ整備も政府が進めているようです。
■ 赤沢経産大臣 「脱ホルムズ」原油の安定調達でUAE国営石油会社CEOが商談? 一方でアジアの電化進む兆し(7/17 日テレNEWS)
ただし窒素やヘリウムなど、ペルシャ湾内から輸出される資源の重要性は変わっていません。このまま膠着状態が続けば、世界経済にも大きな影響が出ることは避けられないでしょう。
さて、そのような中で今週のテーマとして論じたいのは、「それでも軍事力には効果がある」という実に居心地の悪い話です。前回のメルマガで触れたミャンマーの例(以下の記事参照)を踏まえつつご説明します。
・「通り道が変わると世界が変わる」(7/12)
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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不都合な真実
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▼ミャンマーの内戦
▼国軍の戦略
▼苛烈なやり方は効く?
▼内戦を終わらせた例
▼不都合な真実
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近況報告
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先週、地方の陸自の某駐屯地で聞いた話を一つ。
ある自衛隊員の方が、2000年代初頭に、国連のPKOの関連でイスラエルとシリアの間に位置するゴラン高原に派遣されていた時のこと。
現地で活動(主に後方・兵站関連)をしていると、毎回必ず自分たちを監視している数人の男たちがいるそうで、どうやらシリアの秘密警察との噂。
しかも彼らは何かがあると「頼る」ことができるので、無理に巻いて逃げるよりも、むしろついてきてもらうほうが得策だったとのこと。
そこで色々と考えた結果、日本のスナックを渡しておこうということに。色々と試した結果、もっとも評判が良かったのが「柿の種」だったとか。
ポテトチップスなども試してみたようですが、一番人気は柿の種。地味ですがウケが良いようです。
何の役にも立たない情報かもしれませんが、話のネタとしてぜひ。
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好評発売中の書籍
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