2026/03/30 06:30 | by Konan | コメント(1) NEW !
Vol.314: Fin
ついに最終回となりました。ぐっちーの依頼で旧ひとり言を書き始めたのは2009年9月。毎週書き続けましたが、諸般の事情で2013年12月、225号で終了しました。その後、ぐっちーの生前にこちらから頼み込み、2018年8月に復活。毎週にこだわらず、日本経済に的を絞った連載を始め、今回を含め314回の執筆となりました。計539回、結構な本数になりました。前々回書いたように、65歳を迎え生活をリセットしようと思い、ひとり言に終止符を打つことを決めました。
最近は単純な定番の解説記事が多かったのですが、これまでを振り返り3つのキーワードを挙げるとすれば、「不確実性」「分断」「信認」でしょうか。
今年に限っても、ベネズエラ、イランと予期せぬ大きな出来事が続きました。ただ、こうした状況を見て「不確実」と諦めてしまっては、国も企業も個人も活動できません。情報を必死に集める、信頼できる情報を精査し分析する、考え得るシナリオを2つ3つ用意する(例えば、ベースライン、サブ、リスクなど)、それぞれのシナリオに即し取るべき行動を考える、とりあえずベースラインシナリオに沿って行動しつつ、サブ・リスクシナリオへの備えを並行的に行い、いざというときに備えを発動する、などを愚直に行うしかないと思います。
世界でも日本でも、中道がポピュリストや左派勢力に侵食される状況が続きます。多くの場合、経済的な格差が広がり、中所得層が薄くなるとともに低所得層の不満が高まり、その不満が移民や輸入品など外に向かったり、富裕層など上に向かったりすることがパターンです。この「分断」を克服するには、倫理や理念の面での努力では足りず、お金が回ることが必要ですが、米国以外の先進国の成長は低調で、米国は富裕層に偏る成長が続きます。成長率底上げのカギを握り得るのはAIですが、仮に国全体として成長率が高まるとしても、仕事を奪われるなど負の影響を受ける層が出てくる可能性は否定できません。要は「分断」の克服は難しく、不安定な政治状況が続くことが残念ながら見込まれます。
そうした中で、国の「信認」が問われ続けます。ひとり言では、旧・新通じ日本国債の信認の問題を取り上げました。今流にいえば”責任ある”とは何か、問うてきました。国債の問題に限れば、残高が膨張していく中でも、日銀の政策により長期金利が低く抑え込まれ、矢野元財務事務次官のような財政再建派の意見は全くの杞憂に終わってきました。また、今のように物価上昇率が高まると、税収が増え債務の実質的な負担が下がる効果があり、財務を巡る諸指標はむしろ改善しています。これだけとれば、心配不要かもしれません。ただ、「信認」の基盤は真摯に問題を捉え手を打つ姿勢に宿るとも言えます。社会保障をはじめとする歳出面の増加をどう想定しどのような抑制策を取るのか、将来の税収をどう見積もるのか、税制をどのように再構築していくのかなどについて、透明性を持った真剣な検討と実践を行う姿勢を政府が失ったとき、突然信認が崩れてしまうかもしれません。「信認は移ろいやすいもの」との意識こそが重要と感じます。
石井さん、Saltさん、永田町さん、奥山さん、峯村さんの豪華執筆陣を誇る地政学ビジネスメディアODYSSEYは、上記の3つの論点を理解し考えるうえでの最良の羅針盤です。ODYSSEYの益々の発展を祈りつつ、筆をおきます。
読者の皆さん、ありがとうございました。お元気で!
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最終回とのことで大変名残惜しいですが、本当にありがとうございました。
私は引き続き、不確実性の高いこの環境下で、Odyssey メルマガで必死に情報収集していきたいと思います。
Konanさんにあっても、たまにはコメントで登場いただければ嬉しいです。これまでのご活動に感謝申し上げます。