2026/02/16 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.309: 小噺・選挙のこと
高市圧勝に終わった衆議院選挙。4点に分けて感想を書くことにしました。
(得票率)
比例代表(全国計)における自民党の得票率は37%。石破総裁の時の前回選挙を10%上回りました。この数字を政党支持率の代理変数と捉えると、4割に満たない支持率で、三分の二を超える議席を獲得した格好になります。
この結果は、小選挙区制度の狙いと怖さの双方を如実に示します。そして、選挙制度の議論の重要性を物語ります。また、得票率が一気に10%(600万票弱)も動くことは、米国大統領選挙同様、日本でも無党派層が選挙で極めて大事な役割を果たしていることを示します。
こうした基本的なことを再認識させてくれた選挙でした。
(勝因)
多くの識者が論じる「高市総裁・自民党が争点潰しに成功し、選挙を高市総裁の信任投票に持ち込んだことが勝因」との分析に、私も同意します。
選挙と金の問題が早くも忘れ去られ、みらい以外が消費税率引き下げ・廃止に言及するなど、前回選挙の争点が消える中、高市総裁個人の人気が投票行動に直結したと受け止めています。
小池東京都知事が選挙に強いことと同様、女性初の総理大臣であることは大きなアドバンテージです。また、トランプ大統領や李在明大統領とのパフォーマンス、菅・岸田・石破総理と異なる歯切れの良さと関西弁を駆使した親しみやすさなど、見事な演出が続きました。
(敗因)
「中道になったから負けた」のか、「立憲・公明のままでも同じくらい惨敗した」のか、選挙をやり直す実験ができないだけに、検証が難しい論点です。しかし、今後の野党のあり方を考えるうえで、この点は解明されなければなりません。
前者なら解党が答えです。しかし、恐らくそうではなく、後者と受け止め真摯に再建策を考えることが正道と思います。ただ、中道や参議院の立憲・公明の一部は、前者と思っている(前者と信じたいと思っている)印象を受けます。
この点は、政治学者や政治アナリストの能力を駆使し、これまでの世論調査や投票行動の分析、新たな調査の実施などを通じ、究明して欲しいと願います。
(今後)
巨大与党に立ち向かう争点は何か?
国民にとり最も身近で重要な問題である物価高対策、裏を返せば税と社会保障の問題は、即効薬・特効薬を見つけることが難しい論点です。どの党の主張にも一難一理あり、決め手に欠けます。要は争点になりづらいわけで、そうなると、失政=物価高が収まらず国民の怒りが爆発する=ことでもない限り、野党の復活は見込めません。
争点らしい争点は、安全保障や外国人政策でしょう。ただ、少なくとも現時点で、これらの点では「右」の主張に分があります。無論、安全保障について、防衛費をGDP比5%に引き上げることには国民の理解が得られないでしょう。外国人政策も、コンビニや居酒屋が成り立たない状況に至れば、何らかの共生が必要と気付かれるでしょう。しかし、今の中道や中道より左派の主張では、国民がそこはかとなく、しかし現実に感じている不安感を鎮めることは難しく感じます。
こう考えると、身も蓋もありません。ただ、過去を振り返ると、圧勝の後、いつか必ず揺り戻しが来ます。高市政権が未来永劫続く訳ではありませんし、旧立憲・公明が挽回する可能性が無いとは言えません。大統領選挙で立ち直れない打撃を受けた米国民主党も、中間選挙では下院で勝利する可能性が現実味を帯びています。
選挙は今回のようなワンサイドでなく、接戦の方が見応えがあります。各党、とくに野党が争点を見極め、政策を磨き、発信を強化し、国民との対話を深め、次回参議院選挙がもう少しワクワクするものになることを願います。
今回はこの辺で。
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