2026/01/26 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.306: 日銀政策維持
今回は22・23日に開催された日銀金融政策決定会合を紹介します。今週は、このほかIMF世界経済見通しと内閣府月例経済報告が公表されましたが、来週に回します。ご容赦ください。
昨年12月の利上げから間もない今回会合での政策維持は予想通り。それでも9人の委員のうち1人は利上げを提案しました。世間の注目は、今後の利上げペース、最近の長期金利上昇への対応、なぜ日銀はパウエル議長擁護メッセージに名を連ねなかったか、の3点に集まりました。
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景気判断維持
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今回のように展望レポートがある回(1月、4月、7月、10月)とない回(3月、6月、9月、12月)とでは分析の詳しさに違いがありますが、景気判断は現状・先行きとも概ね維持されました。リスク要因も同様です。
(現状)
・基調:一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している
・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している
・設備投資:緩やかな増加傾向にある
・住宅投資:減少している
・公共投資:横ばい圏内の動きを続けている
・輸出:米国の関税引き上げの影響を受けつつも、基調としては横ばい圏内の動きを続けている
(先行き)
・各国の通商政策等の影響を受けつつも、海外経済が成長経路に復していくもとで、政府の経済対策や緩和的な金融環境などにも支えられて、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まることから、緩やかな成長を続けると考えられる
(リスク要因)
・リスク要因としては、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向、企業の賃金・価格設定行動、金融・為替市場の動向などがあり、それらのわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある
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物価見通しは2%維持
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日銀展望レポートの中では、植田総裁を含む9人の政策委員会メンバーによる実質GDP・消費者物価指数の見通しが示されます。中央値(9人のうち上からみても下からみても5番目の数字)は以下の通りです。注目される物価見通しは、足元の水準からみれば落ち着くものの、2027年度にかけて2%の物価安定目標が達成される予想となっています。
(実質GDP)
2025年度+0.9%(前回+0.7%)、2026年度+1.0%(前回+0.7%)、2027年度+0.8%(前回+1.0%)
(消費者物価指数=除く生鮮食品)
2025年度+2.7%(前回+2.7%)、2026年度+1.9% (前回+1.8%)、2027年度+2.0%(前回+2.0%)
(消費者物価指数=除く生鮮食品・エネルギー)
2025年度+3.0%(前回+2.8%)、2026年度+2.2%(前回+2.0%)、2027年度+2.1%(前回+2.0%)
リスクバランスについては、経済・物価のいずれの見通しについても、概ね上下にバランスしているとされました。
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注目された点は?
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冒頭、3つの点に注目が集まったと書きました。
まず、今後の利上げペースに関しては、12月会合以降の新情報は乏しく、状況を見極めていく姿勢です。
次に、最近上昇が目立つ長期金利については、「かなり速いスピードで上昇している」「政府が中長期的な財政健全化について市場の信認を確保することは極めて重要」「通常と異なる例外的な状況では機動的にオペ(国債買入れ)を実施することもある」などの発言がありました。
パウエル擁護に関しては「米国の内政」と突き放しました。
1点目の利上げペースについて言質を与えなかったことは、予想通りです。
2点目の長期国債に関し、機動的な国債買入れに驚かれた方もいるかもしれません。ただ、日銀は国債買入れペースの減額を進める過程で、「柔軟性の確保」を明言し、「長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に、買入れ額の増額等を実施する」としています。その意味で、新たな内容ではありません。ただ、実際にこうした措置に踏み出すことは、為替介入を行う決断と似て、なかなか難しいように思います。
3点目。私は余り植田日銀の批判をしませんが、これは悪手と思います。中央銀行の独立性は内政というより中央銀行の普遍的価値であることと、選挙で手一杯の高市総理には、仮に植田総裁が擁護声明に加わったとしても、それを気にする余裕はないであろうことが理由です。
今回はこの辺で。
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