ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/03/14 17:00  | 戦略論 |  コメント(0)

戦略の総合理論で分析しよう


今週も国際政治が大きく動いていますが、やはり注目すべきはイランに対するアメリカの空爆です。この「特別軍事作戦」は急速にエスカレートしているにもかかわらず、終わりがまったく見えない状況です。しかも、そのドサクサにまぎれて、イスラエルは隣国のレバノンを攻撃していました。

トランプ氏、米軍事行動は「まだ終わっていない」 イスラエルはレバノン空爆続ける(3/14 BBC)

そこで問題になるのは、ホルムズ海峡の封鎖状態。これはエネルギーや原料の価格の上昇に直結するため、日本の大手メディアでも連日、かなり詳細に報じられています。

高市首相、中東緊迫「長期化に備え」 自民が原油調達の多様化要請(3/13 日本経済新聞)

たしかにこのまま何も手を打たなければ、資源を持たない日本の経済は大打撃を受けることになります。すでにシナリオによっては、ガソリンがリッター300円台(!)まで上昇し、いわゆる「スタグフレーション」(不景気化でもインフレ)が発生してしまうという懸念さえ出てきております。

木内登英の経済の潮流――「イラン情勢を受けた原油価格上昇の日本経済・国民生活への影響」(3/13 N&N未来創発ラボ)

衆院選の圧勝によって信任を得た高市政権も、いきなり国難とも言えるレベルの事態に直面して厳しい舵取りが迫られております。

そうした中、今回は、アメリカによるイラン攻撃について、「戦略の総合理論」に基づいて分析したいと思います。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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戦略の総合理論で分析しよう
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▼戦略論からイラン攻撃を考える
▼戦略の総合理論
▼イラン攻撃に当てはめると?
▼戦争を終わらせられるか

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本の紹介
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拙訳『戦争の未来』でもおなじみの、イギリスの戦争研究の大家ローレンス・フリードマンの新刊が出ました。今回はなんと、ここ10年くらい書き溜めていたエッセイを集めたものです。

Lawrence Freedman『On Strategists and Strategy: Collected Essays, 2014-2024』

入手してわかったのですが、なんと私の指導教官であったコリン・グレイについて、同世代の戦略家として感じていたことを一本のエッセイとして収録してありました。

さっそく読んでみたところ、同じ核戦略に関わりながら思想や立場は違っていたが、それでもグレイは相手の意見は尊重してくれていて、互いにリスペクトがあったと書かれていました。たとえば以下のように述べています。

「グレイの魅力は、異論を敵視せず、対話を終わらせなかった点にある。彼の著作もまた、一方的な教条ではなく、読者を思考の旅に誘う対話的営みであった」

グレイの本を訳した人間からしても納得の分析で、その筆致のうまさとともに引き込まれる内容でした。

おそらく日本での需要は限られ、当分翻訳は出ないと思いますが、「戦略」という広いようで狭いマニアックな分野でも、大家の新刊が出るということは実に喜ばしいことです。

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好評発売中の書籍
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『世界最強の地政学』文春新書(★増販決定!★)
『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(★再び増刷決定!★)
『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房(★増刷決定★)
『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書(★第四刷決定!★)
『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書(★最新刊★)

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