2026/04/04 18:00 | 戦略論 | コメント(0)
テクノロジーと戦略
今週も色々と国際政治が動いていますが、日本にとって最も重要と考えられるのは、やはりトランプ大統領のホワイトハウスにおける「終戦宣言」とでも言うべきスピーチですね。
■ トランプ米大統領が国民向け演説、イランとの戦争は「完遂に近づいている」と主張(4/2 CNN)
トランプ大統領は、イラン攻撃の終わりを示唆しつつも、その前に猛烈な爆撃も行うことにも言及しています。実に矛盾した主張をしていることがうかがえます。
一方で気になる動きとして、国防総省(ペンタゴン)ではピート・ヘグセス長官がいわゆる「粛清」を進めていることがあります。本メルマガ執筆時点で、トランプ政権発足時からすでに十数名の将軍・提督たちが解雇されています。
■ 米陸軍参謀総長の辞任を要求 国防長官イラン戦争の最中に(4/3 AP)
ワシントン・ポスト紙がすでに報じているように(以下のリンク参照)、米軍関係者によると、イランへの陸上侵攻の準備は数週間前から進められており、2003年のイラクの時のような全面侵攻ではないものの、特殊部隊や少数の歩兵部隊から成る強襲(raids)が中心となるとのこと。
■ Pentagon prepares for weeks of ground operations in Iran(3/29 The Washington Post)
トランプ大統領の政策は、大きくブレる発言そのものよりも、その行動を見る方が良いとされています。おそらく上陸侵攻などは規定路線であり、そこからベトナム戦争のように長期化する可能性があると私は見ています。
そうなると日本にとって問題となってくるのは、この中東での泥沼化が、東アジアにおける中国に対する米国の抑止体制に対して、一体どのような影響を与えることになるのかです。
以下の記事では、今回のイランへの攻撃を受けて、日本が発注した数百発の米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の納入計画が早くも不透明なものになりつつあると報じられています。
■ 日本のトマホーク調達に暗雲、米が対イラン作戦で大量消費-在庫急減(4/3 ブルームバーグ)
本メルマガでは繰り返し指摘しているように、地政学的には「西欧・中東・東アジア」という、いわゆる「三大戦略地域」のイベントはリンクしています。この3つの地域に影響力を及ぼしているアメリカは、それぞれへのリソースの配分に悩まされるわけですが、少なくとも今回は中東に肩入れしすぎているために、最も重要な東アジアが手薄になっています。
習近平にとって現在の状況は、ライバルが勝手に自滅しており、台湾統一のチャンスが目の前に広がっているように見えているのではないでしょうか?
さて今回は、そうした時事的な動きからは少し距離を置いて、私が以前熱心に読んでいた本の内容から、テクノロジーに関するある種の「思想」を導き出し、それがプレイヤーの戦略に与える影響を考えてみたいと思います。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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テクノロジーと戦略
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▼テクノロジーと優越感
▼テクノロジーと戦略
▼テクノロジーを飼いならす?
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近況報告
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最近、おかげさまで様々な動画メディアに呼んでいただくことが多くなりまして、つい先月には「楽待」という不動産会社が運営されているメディアにお邪魔しました。
■【動画】【トランプ延期】ホルムズ海峡開放の行方は?日米首脳会談を徹底総括、高市総理の立ち回りの是非《奥山真司×近藤大介》(楽待 RAKUMACHI)
対談そのものは、以前ある大学のイベントでご一緒させていただいた、講談社の中国専門家である近藤大介先生だったので、個人的にも実にやりやすかったです。ただ気になったのは、その後に見返した動画のコメント欄に、「でもアメリカは軍事的に目覚ましい成功をしている」という、私がトランプ政権のイラン攻撃に悲観的ないし批判的なコメントをしたことを念頭に置いたように見える指摘があったことでした。
たしかに私も、アメリカが「軍事的に大成功」、つまり「戦術レベル」で成功していることは否定はしておりません。ただし、それがアメリカの「政治的な成功」、すなわち戦略レベルでの成功につなげられるかは別問題です。
少なくとも軍事面での成功を外交・政治面での成功につなげるには、別のレベルというか、相手との交渉を含む政治的なスキルが必要だということを忘れてはなりません。この基本的なことができなかったために、アメリカはベトナムやアフガニスタン、イラクで失敗してきたわけであり、今回のケースもまさにその典型になりそうだということです。
私は自分が出た動画はあまり見返すことがないのですが、これだけは気になってしまったのでつい。戦術的成功は戦略的成功を保証するわけではない・・・これは戦略の鉄則です。
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