ODYSSEY Geopolitics & Business

2026/05/04 13:00  | 戦略論 |  コメント(0)

日本の大戦略は?


今週も国際政治が色々と動いていますが、日本にとって最も重要なのは、やはりイラン情勢ですね。

依然としてホルムズ海峡は開かれないまま、とりわけ影響を受けやすいアジア各国は、それぞれ対応を迫られています。そうした中、日本もついにロシア極東のサハリン2から原油を調達したことがニュースとなりました。

ロシア産原油を調達へ ホルムズ海峡封鎖後初めて(5/2 毎日新聞)

この日本側のウクライナに対する「裏切り」とも言える、ロシアを利する行為ですが、倫理・道徳的な面から国論を二分するような議論になるかどうかといえば、微妙なところです。

むしろ、「エネルギーを調達できてよかったね」という雰囲気の中で、ロシアに甘めな日本のメディアは、特に問題視せずにスルーしそうな気がします。本来ならば、ここで「何が国益なのか」という骨太な議論を、国民レベルでするべきと思いますが。

一方で、戦略関連の動きとしては、アメリカが欧州のドイツから米軍を5000人規模で撤退させるというニュースもありました。

US withdrawing 5,000 troops from Germany, US officials say(5/2 Military Times)

ところが詳細を見てみると、これは「政治的なインパクトが大きいだけ」の事案に思えます。実際の軍事力のレベルでみると、今回の削減によって欧州に駐留する米軍の規模は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受けて増強したレベルに戻るだけだからです。

ただし気になるのは、ロシアの奥地を狙える数百人規模の中距離ミサイルシステム大隊(battalion)の配備がなくなったこと。これは米軍の抑止力が下がることになり、結果的にプーチンにとってはありがたいオファーとなります。

もちろん、アメリカが欧州最大の足がかりである在ドイツ米軍基地から撤退するわけではなく、相変わらずラムシュタイン空軍基地などの施設は引き続き使用されます。今後の焦点は、仮に北大西洋条約機構(NATO)が消滅した場合でも、米軍が欧州における拠点としてのインフラを引き続き使用できるのかという点に移っていくでしょう。

いくらトランプ大統領が「欧州は勝手にしろ」と言ったところで、米軍は自分たちの持っている「アクセスの自由」をそう簡単に手放すとは思えません。そうした観点から見ると、ペルシャ湾岸にあるほとんどの米軍基地が攻撃によってダメージを受け、しかもホルムズ海峡で民間の船の「航行の自由」が拒否されてしまっているという事態は、米国と米軍の威信にとっては相当な痛手となっています。

ここから見えてくるのは、今回のイランの一件によって、アメリカの大国としての「パワー」そのもの(人口規模+経済力+軍事力)は衰えていないものの、代わりに戦力投射能力(power projection capability)を落としているように見える点です。

そこで今回は、このような深刻な問題をあらためて意識させた、英エコノミスト誌の記事を紹介しつつ、「こんなアメリカの同盟国である日本はどうすべきか?」というテーマについて考えてみようと思います。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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日本の大戦略は?
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▼イギリスの戦略見直し
▼3つの大戦略
▼ヘッジングの有効性

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近況報告
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風邪でノドをやられて声が出なくなりました。ここまで声が出なくなるのは10年ぶりくらい。龍角散をはじめ、あらゆるノドに良いものを試してみたのですが、ハスキーなセクシーボイスは全く改善せず。

声が出なくなってから2日目に都内某所の大講堂で講義を行ったのですが、マイクをつかって元プロレスラーの天龍源一郎みたいなガラガラ声で、なんとか乗りきりました。

そういえばお世話になっているニッポン放送のアナウンサーの方々に聞いたのですが、会社近くの有楽町の地下のクリニックには、本当に声が出なくなった時に「超緊急用の注射」を打ってくれるところがあると聞きました。その注射を打つと、本当に奇跡的に声が出るようになるとか。

自分がそこに行きたいとは思いませんが、「声が命」のアナウンサーであれば、確かに頼りたいと思う気持ちはよくわかります。声が出ないというのは、本当につらいものだと、私も身をもって感じました。

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