2026/05/10 08:00 | 戦略論 | コメント(0)
トランプがはまる「ワナ」
今週も国際政治は大きく動いています。やや気になったのは「ハンタウイルス」が、アフリカ沖のクルーズ船で蔓延して問題になっていることでしょうか。
ただ、戦略面で見れば、やはり注目すべきはイラン情勢です。アメリカとイランは戦争終結に向けて合意間近と報じられる一方、すでに停戦合意が破られる形で、米軍とイラン革命防衛隊が小規模な戦闘を行っているとのニュースも出てきました。
■ 米イラン、戦争終結に向けた覚書で合意に近づく 情報筋(5/7 CNN)
■ 米軍、イランに報復攻撃 ホルムズ海峡通過中の攻撃への対応(5/8 ロイター)
本稿執筆時点では、アメリカがイラン側に提示した「1ページの見出し」のみの合意案に対する返答を待っている状態です。戦争の終結を急ぐトランプ政権の姿勢を示唆していますが、核開発やホルムズ海峡の問題といった根本的な争点は解決されておらず、その実効性に疑問が呈されています。
さらに、アメリカによる「プロジェクト・フリーダム」作戦は、事前の根回し不足からサウジアラビアなどの同盟国を激怒させ、空軍基地へのアクセスが拒否される事態を招くなど、外交上の大きな問題も指摘されています。このあたりは、なんともトランプらしいというか・・・。
イランの指導部は弱体化しておらず、むしろ革命防衛隊が実権を握り、軍事独裁に近い形で支配を強めているようです。戦争開始からの数週間で20人以上の処刑が行われており、緊張が緩和する兆しは見られません。
■ Iran conducting near-daily prisoner executions in secrecy, say rights groups(5/7 The Guardian)
イスラエルがベイルートを空爆するなど、中東地域の情勢も依然として不安定なままです。どうやら今回の紛争を通じてイランは勢力を維持・拡大しているようでもあり、その地域にもたらす脅威は依然として高いままです。
なぜこのような状態が続いているのでしょうか?今回は、最近注目されているロバート・ペイプという学者の考え方を紹介しつつ、イラン事案の本質について考えてみたいと思います。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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トランプがはまる「ワナ」
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▼ペイプの視点
▼3つのステージ
▼どうすればいいのか?
▼エスカレーションも選択肢?
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近況報告
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増刷のお知らせです。シカゴ大学のジョン・ミアシャイマーといえば、拙訳『大国政治の悲劇』でも知られる国際政治理論の大家ですが、私が翻訳したもう一冊の『なぜリーダーはウソをつくのか』という本の文庫本が、この度、なんと増刷されました。
■ ジョン・J・ミアシャイマー『なぜリーダーはウソをつくのか』
発売から9年後に刷り増しということですが、個人的にもあまり聞いたことがなく、驚いています。
この本でのミアシャイマーが主張しているのは「国家のリーダーは対外的にはあまりウソついていない」という意外性のあるものです。では、なぜそう言えるのか。
ミアシャイマーはまず、国際政治的につかれる「ウソ」を何種類かに分類し、そこからなぜリーダー同士はあまりウソをつかないのかを、歴史的な事例を交えながら解き明かしていきます。
本人にも聞いたことがありますが、このテーマで講演ですると、聴衆から実に熱い(!)反応があるそうで、ポイントをまとめたのがこの本だとか。
最近のミアシャイマーはネット番組の出演などでかなり忙しくしているようですが、今年の夏には東アジアの国際政治に関する本を出すと聞いています。こちらも非常に楽しみです。
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好評発売中の書籍
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■『世界最強の地政学』文春新書
■『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(★再び増刷決定!★)
■『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社(★第二刷決定★)
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房(★増刷決定★)
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『『スター・ウォーズ』に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(5月14日発売★最新刊★)
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