2025/12/15 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.300: 小噺・中立金利
日銀金融政策決定会合が迫ってきました。今回は、先週Saltさんが触れられた中立金利について、簡単におさらいします。
中立金利は、経済の実力に見合う、高過ぎることも低過ぎることもない、頃合いの良い政策金利と理解しておけば良いと思います。米国では、先日のFOMCの際に出されたSummary of Economic Projectionsの中で、Federal funds rateに関するLonger runの中央値が3.0%とされ、これがFOMCメンバーがみる中立金利の水準と認識されています。また、ユーロ圏ではこのところECBが政策金利を2.15%に据え置いていますが、ラガルド総裁の説明をみると、この水準を「頃合い」とみている雰囲気が伝わります。
経済の実力は、潜在成長率とほぼ同義と考えてよいでしょうか。日本では大体0.5%くらいとの見方が多いと思います。政策金利は名目値なので、物価上昇率も関係します。日銀の目標は2%、現実の物価上昇率はこれを超えています。ただ、ひと頃のデフレは脱したと言っても、物価上昇率の実力は2%に届かない気もします。潜在成長率と合わせると2%くらいでしょうか。こう考えると、日本の中立金利はユーロ圏より少し下、1%台半ばから後半くらいに思えてきます。
日銀は、今の0.5%の政策金利は「緩和的」としているので、中立金利は0.5%より高いとみているはずです。また、以前の記者会見で植田総裁は「政策金利が1%を超えることは十分あり得る」との趣旨の発言をしたことがあり、恐らく1%よりも高いと考えているのではないかと思います。
議論を簡単にするために、日本の中立金利を1.5%と仮定しましょう。そうだとすると、1.5%に達するまで利上げが続いてもおかしくないことになります。他方で経済は水物です。実際の経済は実力より弱いことも強いこともあり得ます。弱いときに無理に1.5%を目指すことは不適切なので、「何があっても1.5%を目指す」ものでもありません。
19日、利上げが決定されると思いますが、記者会見では中立金利に関する質問が多く出されると思います。注目しましょう。
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