2026/05/16 10:00 | 戦略論 | コメント(0)
ライトセーバーは理想の兵器か
今週も国際情勢は大きく動いていますが、なんといっても注目すべきは、今後の世界の戦略問題に決定的な影響を及ぼす一大イベント、米中首脳会談ですね。
■ 「建設的戦略安定関係」の新時代、習氏が米中首脳会談で称賛(5/14 CNN)
詳しい分析については、「世界情勢ブリーフィング」の石井さんや「インテリジェンスサロン」の峯村さんにお任せしますが、私から付け加えるとすれば、印象に残ったのは、アメリカ側としては、昨年の合意から続いている、貿易戦争の休戦の維持を最も重視しましたが、中国側は、台湾問題を率先して取り上げ、アメリカ側に強く迫ったことです。
このことを見ても、米中関係はゼロサム状態が続いていることがあらためて明確になったと感じます。やはり世界のナンバーワンとナンバーツーの権力(パワー)を持つ国同士の緊張関係は続くということです。
今年は習近平主席のワシントン訪問やAPECなどがありますので、おそらくあと三回の首脳会談が見込まれます。本メルマガ第16号(以下のリンク参照)でも指摘した、米中間のグランド・バーゲニング(grand bargaining)が行われるのか、引き続き注目です。
・「トランプは台湾を北京に譲るか?」(25/2/21)
その他に注目すべきは、プーチン大統領がウクライナとの戦争の終結を示唆するような発言をしたこと、そして、これと関連するかは定かではありませんが、米軍が欧州から兵力を減らすような動きを続けていることです。
■ プーチン氏、ウクライナ紛争は「終結に向かっている」 記者会見で考え示す(5/11 BBC)
■ US Army abruptly cancels deployment of 4,000 soldiers to Poland(5/14 ArmyTimes)
米陸軍が第1騎兵師団の第2機甲旅団戦闘団(約4000人)をポーランドに配備する予定をキャンセルしたとのこと。先ごろ発表されたドイツからの約5000人の撤退と合わせると、欧州に駐留する米軍の規模は、ロシアがウクライナへの侵攻を始めた以前のレベルに逆戻りすることになります。
キャンセルの理由は明らかにされていませんが、どうやらワシントンDCへの州兵の配備や、メキシコとの国境付近への展開に人員が割かれ、予算が足りないということのようです。
欧州正面で情勢が安定してくるのは喜ばしいことです。しかしそうなると、ホルムズ海峡が封鎖されたままという異常な状態が浮き彫りになってきます。日本ではどうしても日本企業が絡む報道が中心になりがちですが・・・
■ ENEOS原油タンカー、ホルムズ通過 出光に続き2隻目、通航料払わず(5/14 JIJI.com)
問題の本質は、世界経済にどこまで影響が及ぶかにあります。その意味では、もっと視野の広い報道や分析に注目したいものです。当然ながら、日本経済は世界経済の動向と密接にリンクしていますので。
さて、今回は話題を少し変えて、高市政権は安保三文書の改定に取り組んでいますが、それに関連する話として装備品を取り上げたいと思います。
といっても具体的な装備ではなく、そのドクトリン、思想や方針に着目します。5月14日に発売となりました、拙共訳の『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』に絡むものです。
■ カヴァナー編著『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
***********
ライトセーバーは理想の兵器か
***********
▼なぜ反乱軍は勝てるのか?
▼最先端で高価だと使えない?
▼マッドマックスとライトセーバー
***********
近況報告
***********
ということで、スター・ウォーズ本がいよいよ5月14日に発売されました。
私はこれまでおよそ40タイトル近くの本(といっても大部分は訳本ですが)を出版してきましたが、毎回感じるのは、実際に本が出た時点で、その本はすでに手を離れて遠くに行って独り立ちしてしまっている、という感覚です。
たとえば今回の本も、最後の追い込みの修正作業などを行っていたのは3月の末でして、それからすでに二か月が経っています。手元に届くと「あ、これ出たのか」という、どこか他人事のような気持ちになります。
映画に出演する俳優たちにも似たような感覚があると聞きます。映画公開の舞台挨拶の際に「1年ぶりに撮影したときのメンバーに会えて光栄」みたいなことをいいますが、たしかに撮影そのものは公開される一年前に終わっていて、残りは編集作業などに時間が費やされているわけです。
書籍も同じようなタイムラグがあるので、発売された時は著者・訳者の手から遠く離れた子供のような存在となっています。いまだこの感覚にどうも慣れることができません。
あらためて、こちらが本書です。書店で見かけましたら、ぜひお手に取ってみていただけますと幸いです。
■ カヴァナー編著『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』
***********
好評発売中の書籍
***********
■『世界最強の地政学』文春新書
■『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(★再び増刷決定!★)
■『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社(★第二刷決定★)
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房(★増刷決定★)
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『『スター・ウォーズ』に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。

























