2026/05/23 12:00 | 戦略論 | コメント(0)
習近平が口にした「トゥキュディデスの罠」
今週も国際政治は大きく動いていますが、やはり最も注目すべきは、米国によるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の封鎖です。依然として進展が見られませんね。
■ 米イラン、海峡と高濃縮ウランが焦点に 米長官、通航料徴収なら「合意不可能」(5/22 産経新聞)
この報道によれば、まだ米イラン間で交渉は続いており、イランが海峡で通航料の徴収をするという話が出てきていますが、実際の焦点は核物質(高濃縮ウラン)の扱いにあることがわかります。日本にとって最もクリティカルな「封鎖解除」は交渉の重要なポイントになっておらず、進展がみられないように見えます。
交渉が難航すれば、アメリカ側が限定的な空爆を行う可能性も取り沙汰されています。当面は封鎖が続くことがほぼ確定したと言ってよいでしょう。カーター政権時のイラン大使館人質事件(444日間続いた)のような膠着状態の様相を呈してきました。
一方、そのような中で、個人的に気になっているのはロシア・ウクライナ戦争です。ウクライナが戦場でロシアに対して優勢になってきているというニュースが目につくようになっています。
たとえば直近では、以下のニュースがありました。
■ ロシア司令部攻撃100人死傷か ウクライナ南部の支配地域(5/21 共同通信)
ウクライナ側の発表によれば、同軍がロシア支配下のウクライナ南部ヘルソン州ヘニチェスク近郊にあるロシア連邦保安局(FSB)司令部施設を攻撃し、ロシア側に約100人の死傷者が出たとのこと。
また、日本のゴールデンウィーク明けの5月9日に行われたモスクワの戦勝記念パレードでは、ウクライナによる上空からのドローン攻撃のリスクを恐れて、戦車などの軍用車両の行進が中止されました。会場ではネットが遮断されたり、防空システムの再配置などが行われ、ロシア側の警戒の高まりと弱体化している様子がうかがえました。
さらに、以下の記事などによれば、ウクライナは長距離ドローンを用いてロシア本土の深部(2,000km圏内)を定期的に攻撃し、多数の製油所、港湾施設、軍用飛行場などに被害を与えているとのこと。
■ モスクワ郊外にウクライナが最大規模の攻撃 多数の無人機、応酬激化(5/18 産経新聞)
この手のニュースを見るたびに感じるのは、アメリカの支援がなくともロシアとの戦いを有利に進めるようになったウクライナの粘り強さです。同時に、アメリカの支援を必要とせず戦果を挙げていくことは、世界政治におけるアメリカの影響力の低下を示しているのではないか、という感覚にも陥ります。
さて、今回の本題は、先週北京で行われた米中首脳会談で話題となった「トゥキュディデスの罠」です。本メルマガで以前から取りあげているこの重要な概念について、掘り下げて考えてみたいと思います。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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習近平が口にした「トゥキュディデスの罠」
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▼習近平の援用
▼ワナが意味するもの
▼戦争を避けるためには?
▼アリソンの評価
▼ワナへの反論
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近況報告
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突然ですが、今週末から一週間ほど、私が何冊か翻訳をさせていただいている戦略家、エドワード・ルトワックが来日します。
といっても、今回は某A省での講義が中心となるので、日本のメディアで何かをしゃべるような機会はほとんどないと思います。しかし今回私は彼の講義などに参加することになるので、彼の最新の考え方や議論をここでご紹介できればと思います。
講義が終わったら、伊豆の温泉でゆっくりしてから帰るそうです。外国の政府に戦略アドバイスをしたあとに、その国の観光地をじっくりエンジョイする。まさに最高のライフスタイル、人生をとことん楽しんでいる様子が本当にうらやましいです。
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好評発売中の書籍
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■ 『世界最強の地政学』文春新書
■ 『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■ 『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(★再び増刷決定!★)
■ 『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■ 『戦争論 レクラム版』(解説担当)クラウゼヴィッツ著 芙蓉書房出版
■ 『なぜリーダーはウソをつくのか』ミアシャイマー著、中央公論新社(★第二刷決定★)
■ 『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房(★増刷決定★)
■ 『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■ 『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■ 『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■ 『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■ 『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■ 『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■ 『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書
■ 『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書
■ 『「スター・ウォーズ」に学ぶ現代の戦争 戦略の逆襲』カヴァナー編著、文藝春秋社(★最新刊★)
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