2026/02/28 18:00 | 戦略論 | コメント(0)
平和が分裂を起こす
今週も色々と国際政治が動いておりますが、やはり注目せざるを得ないのは、現地時間の2月24日の夜に行われたトランプ大統領の「一般教書演説」(The State of the Union)ですね。
■ トランプ氏が一般教書演説、経済を称賛しイランを威嚇 歴代最長(2/25 BBC)
この演説は、アメリカの大統領が上下両院の合同会議で、内政や外交といった施政方針を表明するために行われるもので、同国では大手ネットワークが生中継で放映し、国際的にも注目される一大政治イベントです。
私も動画サイトで見たのですが、今回は史上最長の1時間47分という長さのショー。しかも繰り返し同じことを言う場面も多く、あまり集中して見れなかったというのが正直なところです。
前回に引き続き今回もブーイングが出て、退場者も出たり、最高裁の9人の判事のうちの5人が欠席するなど、とにかく異例づくし。同大統領がいかに分断を煽るような存在であるのかが、画面越しにもよく伝わってきました。
もっとも、私の全体的な印象は「思ったよりはひどくなかった」というものでした。というのも、直前に「トランプ関税」にノーの判決を出した最高裁の判事たちが自分の前に並んでいるにもかかわず、大統領は判事たちに個人攻撃を加えることがなく、むしろ言葉を控えめにして演説を進めていたからです。
全般的に何か新鮮味のあるようなこともなく、まるで選挙期間中の地方での演説を聞いているような感覚でしたが、すでにこの異例さに慣れてきているのか、「逆に刺激はないな」と感じてしまいました。私の感覚がマヒしているようにも思えましたが。
唯一気になったのは、「イランが核をまだ開発している」という発言でした。これはつまり、前回(2025年6月)の空爆ではイランの核施設を破壊しきれなかったことを意味するわけで、直後の「すべて破壊した」という発言と矛盾します。
この問題に関連して、地政学・戦略関連のトピックでいえば、先週に引き続き、アメリカのイラン攻撃前の交渉が大詰めを迎えています。
■ アメリカとイランの核協議が終了、「大きな進展」あったと仲介国オマーンの外相(2/27 BBC)
このトピックについては前回の記事で詳しく述べましたが(以下のリンク参照)、相変わらずトランプ政権が今回の攻撃で一体何を目指しているのかが不明なところが、この問題をことさら予測不可能にしています。加えて問題なのは、当のアメリカ国民がこの軍事作戦をほとんど気にしていない点ですね。
・「アメリカのイラン攻撃ふたたび?3つの特徴」(2/21)
まだ交渉は続いているとのことですが、交渉を進めるための「限定的な空爆」もあるという話も出てきており、どうやら軍事行動は不可避のように見えます。
さて今回は、日本では実に公言しづらいことを書いてみます。それは「平和が戦争を生む」という逆説的な話です。
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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平和が分裂を起こす
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▼平和は尊い?
▼平和であることの逆説
▼高市政権の日本は?
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近況報告
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昨日のことですが、ようやく一冊の本の訳出作業をすべて終えました。本メルマガ第46号(下記リンク参照)でもご紹介したことのある、映画「スター・ウォーズ」に関する本です。
・「スター・ウォーズから戦略を考える」(25/10/12)
その用語や内容の確認作業も兼ねて、ここ数週間で連続してエピソード1から3まで見ました。その上で、このシリーズの魅力がどこにあるのかを自分なりに考えてみると、やはり「お金をかけて作り込まれている」「世界観がしっかりしている」ことに落ち着くのではと考えております。
とりわけ今回気になったのは、映画における音楽の使い方です。しっかりとオーケストラを使って、劇中のシーンをうまく盛り上げているんですよね。60年代の古き良き時代のアメリカ映画の伝統を受け継いで作られていて、こういうところに高級感があったのかとあらためて実感しました。
本訳書は5月の前半に出るそうです。決まり次第、その内容の要約なども本メルマガでご紹介したいと思います。
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好評発売中の書籍
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■『世界最強の地政学』文春新書(★増販決定!★)
■『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
■『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(★再び増刷決定!★)
■『やさしくわかるエネルギー地政学』小野崎 正樹、技術評論社
■『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房(★増刷決定★)
■『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
■『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
■『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版
■『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
■『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
■『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
■『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書(★第四刷決定!★)
■『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書(★最新刊★)
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